Protools 10.3.2 on Windows 7 professional 64bit / ThinkPad T530

Protools 10.3.2を導入した。

2012年9月13日に10.3がリリースされ、10月3日に10.3.1、10月15日に10.3.2と、今までのリリース間隔からすると、今回はずいぶん慌しい。

今回はパソコンも更新したので、Protoolsも最新の10.3.2をダウンロードしてインストールしてみた。

試行錯誤の末、問題なく動くようになったのだが、注意点がいくつかあるので、記録しておく。

今回もAvid Virtual Instrumentは含まれていないので、別途ダウンロードしてインストールが必要。

インストール時にQuick Timeがないと関連機能が使えないというメッセージが出るが、実際にはC runtime errorで落ちることがある。関連機能にかかわらず、Quick Timeの導入は必須らしい。

iLokのドライバーを最新にする必要がある。www.ilok.comから最新版をダウンロードして更新する必要あり。今回はIvory II導入の際、インストール・パッケージに含まれていた旧版のilokドライバで上書きされてしまい、その後Protoolsが起動できなくなった。

今回から、パソコンがThinkPad T530になり、内蔵HDDは750GB/7200rpmを2ドライブに構成にした。新たにピアノ音源のIvory IIが加わり、オーディオ・インターフェースは、Mbox2が退役、M-Audio Fast Track Ultra 8Rに加えて、RME Babyfaceを追加した。

RME Babyfaceは小型でUSB bus power駆動可能ながら、DSP内蔵、MIDI対応、アナログ2in/2out、ADAT対応など、高機能・高性能、高音質。ただ、値段も内容に見合って高い。

Ivory IIはver. 2.0.2のupdateが出ている。

新たな攻撃

久々にウィルスの攻撃を受けたので、顛末をまとめておく。

まず、なんの前触れもなく、突然Live Security Platinumという、一見セキュリティ・ソフトウェアに見えるもののPOP-UPメッセージが出て、このパソコンがウィルスに汚染されているという。

続いて、Live Security Platinumのコンソールのようなものが表示されて、あれよあれよという間にウィルス・スキャンをしているかのような画面が動き出し、一見ぎょっとするような数のウィルスが検出されているかのような表示が行われる。

そして、このウィルス対策の実施を勧めるメッセージがでて、ボタンを押すとクレジット・カード情報の入力を求めてくる。

ここでやっと話がおかしいと気付いて、このソフトウェアを止めて、自分でいろいろと調べようとするが、何をやっても妨害されて、再び画面が動き出す。

スマートフォンを使ってこのソフトウェアの名前を検索してみたら、以下のページなどにヒットし、やはりこれは新手のウィルスであることがわかる。

http://www.geocities.co.jp/Playtown-Yoyo/6130/notes/virus-syssec.htm

このページに出ている情報を参考にして、ウィルスの本体の場所を突き止め、削除してとりあえずの危機を回避する。

さらにこのページで推奨されている、根本的な対策を講じようとするうちに、Windows Updateが機能しなくなっていることに気がついた。

http://www.geocities.co.jp/Playtown-Yoyo/6130/notes/version-check.htm

調べてみると、Windows Updateの前提となっている、BITSというサービスや、Windows Updateのサービスそのものが存在しない。いろいろと調べていくうちに、どうやらWindows 7のシステムそのものが何らかの損傷を負っていることが分かってきた。

Windows 7のインストールDVDを使って、アップグレード・インストールを行ってみるが、BITSやWindows Updateのサービスは復旧しない。さらに調べるうちに、以下のサイトを見つけ、これを元にBITSとWindows Updateサービスの復旧を試みる。

http://answers.microsoft.com/en-us/windows/forum/windows_7-windows_update/windows-update-service-not-running/1ef40226-b057-4d2e-ab32-24ae03a31e92?page=4

ほぼ、このサイトの方法で良いのだが、私の場合はサービスそのものが全く無くなっていたので、以下のようなbitsとwuauengサービスを作成する様に、手順を追加・変更する必要があった。

regsvr32 c:\windows\system32\wuaueng.dll /s

sc create bits binpath= "c:\windows\system32\svchost.exe -k netsvcs" start= delayed-auto obj= LocalSystem

その後、なんとかWindows Updateが出来るようになるが、security patchのinstallに失敗して、再びBITSやWindows Updateのサービスが削除されてしまうことがあった。どうもWindows Updateの仕組み自体に問題があるような気がしてくる。

何度か修復を重ねて、全てのupdateを当て終わると、Microsoft Security Essentialsが使えるようになったので、内蔵ディスクとUSBドライブにフルスキャンを駆けてみる。

と、出るわ出るわ、合計5つほどのマルウェアスパイウェアなどが見つかった。

結論から言うと、今回の進入経路は更新されていなかったJava RTEのセキュリティ・ホールだったらしい。また、Windows Updateも途中で止まっていたので、そちらの脆弱性も原因である可能性がある。

実際に被害に会う前に、古いソフトウェアを動かしていることのリスクに敏感になるべきだと、改めて実感した。

Protools 10.2

昨年のProtools 10のリリースの後、しばらくおとなしかったと思っていたら、2012年に入って3月、5月、6月と、立て続けにupdateがリリースされた。特に今回の10.2は、updateとしては珍しくフルインストーラのみということで、いよいよ次は11かと思わせる流れになってきている。

10.2のインストールは、以前のversionを削除してから行うということになっているが、ここでひとつ注意点がある。10のリリースの際、Protools本体とAvid Virtual Instrumentが別パッケージになったことは前回言及したが、今回のupdateにはProtools本体しか含まれていない。つまり、Avid Virtual Instrumentを削除してはいけない。誤って削除してしまった場合は、10のリリースに含まれていたAvid Virtual Instrumentのインストーラで再度インストールすること。

今回はMbox2のドライバも特に問題なく動いた。Protoolsと一緒に使っているMelodyneも、VST to RTAS Adapterも、その先のいくつものVST pluginも問題なく動いている。

嵐(Protools 11)の前の静けさ、か?

Protools 10 on Windows 7 64bit

Protools 9の発売から1年も経たないうちにProtools 10が発売された。Protools 10は32bitアプリケーションとして動作し、Digidesignのハードウェアをサポートする、最後のリリースになるそうだ。
新機能はいくつかあるが、個人的にはSystem 5のconsole機能を取り込んだAvid Channel Stripに期待している。
Avid StoreでProtools 9からのアップグレードを購入して、ダウンロードする。今回からProtools本体と、Avid Virtual Instrumentsが別ファイルになっている。
Protools 10のインストールに先立って、旧版を削除する必要がある。Mbox2のdriverは残したままでよい。
Protools 10とAvid Virtual Instrumentsを導入後、Protoolsを起動すると、特に問題なく動いた。Protools 9で作成したセッションも、問題なく開く。3rd partyのpluginも問題ないようだが、Xpand2だけ音がでない。
Xpand2を使っていたセッションを開くと、XPand2.bigが見つからないというメッセージがでる。これは、c:\Program Files (x86)\Avid\Avid Virtual Instrumentsの下にあるので、Browseボタンを押して場所を指定してやると動く。
Protoolsのアップグレードは、毎回なにかあるなあ。

VideoStudio X4の画像乱れ・音ずれ

デジタルビデオカメラ(Panasonic TM30)を使って撮影したAVCHD動画と、ProToolsで録音した音声を素材に、VideoStudio X4で編集して、音楽物の動画を作成している。
1920x1080のHD動画をノートパソコン(Lenovo ThinkPad T500)で手軽に編集できるのは、10年前には想像できなかった、驚くべきテクノロジの進化の賜物だ。
VideoStudioは、家庭用のビデオ編集ソフトウェアである。気の利いた機能があり、価格も安く使いやすいが、音楽物の動画編集を行う場合は、気をつけるべき点がある。
今回の題材は、楽器を演奏する様子を撮影した動画と、実際に演奏された音声を同期する編集だったので、動画と音声の同期の精度は可能な限り上げる必要があった。もとの動画素材が29.97fpsなので、動画は約30分の1秒の精度での編集となり、+-15ms程度の音ずれは許容する必要がある。
今回は動画撮影時に同期予定の音を流して、ビデオカメラのマイクで録音しながら撮影したので、編集中の動画トラックにも音が入っている。サウンドミキサーの機能を使って、動画に含まれる音声と音声トラックの音声の波形を表示し、音を聴き波形を見ながら、音声素材を移動したり、動画のクリップの長さを調整したりして、動画と音声を合わせていく。
同期が終わったら、タイトルやクレジット、歌詞などの字幕を入れ、動画ファイルの書き出しを行う。この際、VideoStudioには、スマートレンダリングという機能があり、これが標準でONになっている。これは、編集によって内容がまったく変わらないフレームについて、動画ファイルの書き出しの際に再度エンコーディングを行わず、オリジナルのデータをそのままコピーすることで、動画ファイルの書き出し時間を短縮し、オリジナルの動画ファイルの品質を可能な限り保つ機能である。
単純な動画の切り貼り編集の場合はとても便利な機能だが、微妙な音声の同期や、多くの字幕が入る動画の場合、再エンコーディングが行われる部分と、行われない部分のつなぎ目で、フレームが欠落することがあり、画像が乱れたり、それ以降の部分で音ずれが発生する。
現状では、書き出した動画で音ずれが発生する場合は、スマートレンダリングをOFFにするしかない。これは、動画の書き出しの際に、オプションボタンを押すことで、ポップアップ・ウィンドウが現れ、設定を変更することができる。
複雑なビデオ編集を行う際、複数の部品に分けて編集・動画生成し、再度VideoStudioに読み込んで完成品を作るような時に、後半の工程で問題が顕在化することもある。そういう場合は、初期の工程に戻って動画生成をやり直す必要がある。

Protools 9.0.5

Protools 9.0.5のupdateが出ていたので、仕事の切れ目で当ててみた。Protools 9の初期導入時と同じく、Mbox 2 Proを認識しない。どうやら、9.0.5への更新の過程で、導入済みのMbox 2 Proのドライバーが削除されてしまうらしい。
以前も書いたが、Mbox 2 Proのドライバーのインストールをすると、c:\Program Files\Degidesign\Drivers以下にドライバーのインストール・ディスクのイメージが展開される。デバイス・マネージャで「不明なドライバ」と表示されているMbox 2 Proに対して、上記ディレクトリを指定して、ドライバの更新を行う。
あっさり認識されて、9.0.5も立ち上がるようになった。

DAWのレイテンシ

DAWを使ったレコーディングにおけるレイテンシ問題を、外部ミキサーを使って解決することができる。レイテンシを軽減するためのポイント、外部ミキサーの使い方などについて説明する。

DAW 使ったレコーディングでの最も大きな問題はレイテンシ(音の遅延)である。オーディオI/Oに楽器やマイクを接続して、DAWで再生する音を聴きながら、リアルタイムで演奏したものモニタしたり録音したりすると、数10msずれて聴こえたり、録音されたりすることがある。
原因のひとつは、楽器やマイクの音がオーディオI/Oから入り、コンピュータで処理されて、再びオーディオI/Oからモニタに聴こえてくるまでに時間がかかることである。また、もうひとつの原因は、DAWに録音された音を再生する際、ソフトシンセやエフェクタのプラグインを使うと、コンピュータの処理に時間がかかることである。
レイテンシを減らすために、DAWを動かすコンピュータには、十分な処理能力が必要である。CPUの能力、メモリ容量、ディスク容量と速度などについて、可能な限り余裕を持たせることが大切だ。また、DAWを使っている時は、他の処理を行わないようにすることも効果がある。
しかしレイテンシを0にすることは出来ないので、レイテンシがレコーディングの障害にならないようにする工夫が必要となる。
レコーディングを行う場合、不要なプラグインをオフにすることで大幅にレイテンシを減らすことができる。コンプレッサやディレイ、アンプ・シミュレータなど、マスタリングまで不要なものは止めておこう。どうしても止められない場合は、まずエフェクタを掛けた状態の音を一旦バウンスし、単に音声ファイルを再生するだけで期待する音がモニターできるようにしてしまう方法もある。

これから録音する音のレイテンシを劇的に改善するには、DAWとオーディオI/Oを通さないモニタ回路を使う方法がある。別途オーディオ・ミキサーを用意して、楽器やマイクとオーディオI/Oの出力を接続して、これから録音する音と、DAWからの再生音をミックスする。楽器やマイクをつないだチャンネルのダイレクトアウトから録音用の音を取り出し、オーディオI/Oに接続する。
ダイレクトアウトが無い場合は、インサート端子を使うこともできる。インサート端子はステレオ標準プラグをつなぎ、tip (L ch側)から外部エフェクタに音を送り、ring (R ch側)から外部エフェクタからの音を戻せるようになっている。ステレオ標準プラグのtipとringをショートして、モノラルにするようなケーブルを使えば、インサート端子をダイレクトアウトの代わりに使える。Mackie製のミキサーは、インサート端子に標準プラグを半分差し込むことで、このような接続になる仕組みがあるので、練習スタジオでDAWを使ったレコーディングをする場合は、Mackie製のミキサーがあれが活用できる。

上位機種のオーディオI/Oでは、DSPエフェクター/ミキサーを内蔵していて、外部ミキサーを使わなくてもモニター回路を組むことができるものもある。 Pro Toolsを使い始めた時に購入したMbox 2 ProにはDSPは内蔵されていなかったが、現在の後継機種には内蔵されているようだ。現在主に使っているFast Track Ultra 8RにもDSPが内蔵されているので、小規模なバンドの録音ぐらいなら、外部ミキサーを使わずに済ませることもできる。外部ミキサーを使う場合、同時録音チャンネル数が増えると、外部ミキサーとの接続数が増え、機材のセッティングに時間がかかる。作業能率を左右するので、オーディオI/Oを選定する場合は、DSP内蔵かどうかも重要な確認ポイントとなる。

DAW のレイテンシ問題を、外部ミキサーを使って解決する方法について述べた。個人で自宅録音をする目的なら、入門機のオーディオI/Oと小さな外部ミキサーの組み合わせが最適だ。スタジオで小規模なバンドのレコーディングを行うなら、DSP内蔵の上位機種のオーディオI/Oの購入も検討するべきだろう。