Windows 10 + Protools 12.5

Protoolsが12.5でやっとWindows 10に対応し、Windows 10への無償アップグレード期限が7月29日に迫ってきたので、やっと重い腰を上げてWindows 7/64bitからWindows 10に移行することにした。
Windows 7/64bitへの移行が2010年8月だったので、ほぼ6年ぶりのOSアップグレードということになる。前回はWindows Vista 32bitからWindows 7/64bitへの移行ということで、上書きアップグレードが出来ず、OSもアプリケーションも全てDVDメディアから導入しなおしたが、今回はInternetからのダウンロードでアプリケーションもデータもそのままに、Windows 10にアップグレードできるという。6年間の技術の進歩はすごい。
とは言え、大切な作業環境に何かあるといけないので、C:ドライブだけは同一モデルのHDDをもう一台用意して、コピーを取っておく。6年前のC:ドライブは恐らく500GBだったと思うが、今では1TBになり、データ用に1TBのHDDをもう一台接続して使っている。時間の経過と作業結果の蓄積を感じる。
1TBのHDDのコピーも、Windows 10へのアップグレードも、思いのほか速く作業が進む。思えばInternet接続も6年前の8Mbpsから100Mbpsに変わり、WiFi接続でも20Mbps以上楽にでるようになった。GB単位のデータやアプリケーションの転送も、何の疑問もなくWiFi経由で行うようになった。
Windows 10へのアップグレードの1回目は、Windows 7の当て残しのupdateがあったのか、自動的なリブートで中断されたので、もう一度やってみたら、正常に終了した。ログインしてみると、エクスプローラーのインターフェースは多少変わっているが、ほとんど以前と変わらない。
ひとつひとつアプリケーションや、設定の確認をしてみる。いつものControl keyとIME on/offの割り当て変更が元に戻っているので再度設定する。RME BabyFaceを接続し、TotalMixの動作を確認し、WAVやMP3、MIDI、MP4などを再生して、音と動画の再生環境を確認する。音楽系ファイルの再生はGroove Musicがデフォルトになっているので、Media Playerに戻す。
Protoolsを起動しようとしたら、iLokを認識しない。どうやらiLokのサービスが動いていないようなので、再導入する。その後Protoolsを起動すると、問題なく動く。
Pluginの類もひとつひとつ確かめる。Ivory II、Melodyne、Bluecatなども問題なし。
続いてVOCALOID Editor v4、Finale2014も問題なし。
GIMP、Libre Office、AudacityCygwinも問題なし。PDFの表示がEdgeになっているので、Acrobat Readerに戻す。
Windows 7を使っていた少し前の時期から、EPSON EP803Aプリンタとの接続が調子悪かったので、これを機会にWindows 10用のドライバーで入れなおす。

結論から言うと、今までのWindows系OSの移行の中で、一番簡単だったと思う。また、Windows 7/64itからWindows 10/64bitへの移行によって、出来なくなった事は今のところ何もない。逆に言うと、PCを買い替えていないので、ディスプレイもタッチパネルじゃないし、Windows 10らしい使い方も出来ないから、何もご利益がないとも言える。時代に取り残されないための移行ということで、納得しよう。

まともなヘッドセットを使いたい

パソコンやスマートフォン、携帯電話で、それぞれヘッドセット、つまりマイク付ヘッドホンを使うことがあるのだが、どれにも満足していない。大体、パソコン用はマイクとヘッドホンの端子が分かれていて、スマートフォンは3.5mmの丸型4極、携帯電話に至っては平型コネクタ、統合コネクタなど、時期によってばらばらの規格が採用されているのだ。
最初は一般のヘッドホンが使えるマイク付変換ケーブルを何種類か用意して対応していたのだが、マイクの感度が悪く、常にマイクを手で持って話すのに疲れてしまった。
ある時、SENNHEISERから出ているパソコン用のヘッドセットで、PC 31-IIという、理想的なものを見つけ、同時にパソコン用の2端子方式からスマートフォンで使う3.5mm丸型4極への変換ケーブル(PCV 05)を見つけた。最近のパソコンではスマートフォンと同じ端子が使われるようになってきているので、それへの対応ということもあるのだろう。
早速購入して、スマートフォンやパソコンで使ってみると、音もよく、マイクの感度も良く、とても満足できるものだった。
ただし、私は携帯電話も使うし、それで電話会議をすることが多く、携帯電話でなんとか使えないものかと考えた。携帯電話の端子は携帯電話会社独自の統合コネクタで、それから一時期普及していた平型コネクタへの変換ケーブルは手に入った。あとは、平型コネクタから、3.5mm丸型4極への変換ケーブルが見つからない。いっそ自作するか。
そう思い立つと、意外に簡単に情報と材料が見つかった。まず3.5mm丸型4極の中継ジャックは、MJ064というモデルがマル信無線電気というメーカーから出ている。部品番号で検索すれば通販サイトもすぐに見つかるし、結線図も見つかる。

http://www.farnell.com/datasheets/320031.pdf

平型コネクタは手元にあった携帯電話用のヘッドセットのものを、ケーブルごと切断して再利用した。平型コネクタの結線図は、技術参考書に詳しく載っている。

http://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/corporate/technology/document/pdc/jidoushadenwa.pdf

また、ヘッドセットではないが、平型コネクタから3.5mmステレオジャックへの変換ケーブルを自作された方の記事も参考になった。

http://www.mars.dti.ne.jp/~ogura/e_hobby/d901_st.html

ケーブルの被覆をはがすと、緑、赤、黄、オレンジの芯線とシールドが出てきた。平型コネクタを分解して各線とピンとの接続を調べたら、以下のようになっていた。

1 黄 (グランド)
2 オレンジ (マイク)
3 1と接続 (ヘッドセット検出)
4 赤 (ヘッドホン右)
5 緑 (ヘッドホン左)
6 1と接続 (ステレオ・モノラル検出)
7
8 シールド (受話スイッチ)
9
10

受話スイッチは使わないのでシールドはカットして、各芯線を3.5mmステレオジャックの各端子に以下のように接続した。

tip 緑 (ヘッドホン左)
ring1 赤 (ヘッドホン右)
ring2 黄 (グランド)
shield オレンジ (マイク)

早速携帯電話に接続して試してみると、音もちゃんと両耳で聴こえるし、マイクの音も拾っている。よしよし。

Protools 10.3.2 on Windows 7 professional 64bit / ThinkPad T530

Protools 10.3.2を導入した。

2012年9月13日に10.3がリリースされ、10月3日に10.3.1、10月15日に10.3.2と、今までのリリース間隔からすると、今回はずいぶん慌しい。

今回はパソコンも更新したので、Protoolsも最新の10.3.2をダウンロードしてインストールしてみた。

試行錯誤の末、問題なく動くようになったのだが、注意点がいくつかあるので、記録しておく。

今回もAvid Virtual Instrumentは含まれていないので、別途ダウンロードしてインストールが必要。

インストール時にQuick Timeがないと関連機能が使えないというメッセージが出るが、実際にはC runtime errorで落ちることがある。関連機能にかかわらず、Quick Timeの導入は必須らしい。

iLokのドライバーを最新にする必要がある。www.ilok.comから最新版をダウンロードして更新する必要あり。今回はIvory II導入の際、インストール・パッケージに含まれていた旧版のilokドライバで上書きされてしまい、その後Protoolsが起動できなくなった。

今回から、パソコンがThinkPad T530になり、内蔵HDDは750GB/7200rpmを2ドライブに構成にした。新たにピアノ音源のIvory IIが加わり、オーディオ・インターフェースは、Mbox2が退役、M-Audio Fast Track Ultra 8Rに加えて、RME Babyfaceを追加した。

RME Babyfaceは小型でUSB bus power駆動可能ながら、DSP内蔵、MIDI対応、アナログ2in/2out、ADAT対応など、高機能・高性能、高音質。ただ、値段も内容に見合って高い。

Ivory IIはver. 2.0.2のupdateが出ている。

新たな攻撃

久々にウィルスの攻撃を受けたので、顛末をまとめておく。

まず、なんの前触れもなく、突然Live Security Platinumという、一見セキュリティ・ソフトウェアに見えるもののPOP-UPメッセージが出て、このパソコンがウィルスに汚染されているという。

続いて、Live Security Platinumのコンソールのようなものが表示されて、あれよあれよという間にウィルス・スキャンをしているかのような画面が動き出し、一見ぎょっとするような数のウィルスが検出されているかのような表示が行われる。

そして、このウィルス対策の実施を勧めるメッセージがでて、ボタンを押すとクレジット・カード情報の入力を求めてくる。

ここでやっと話がおかしいと気付いて、このソフトウェアを止めて、自分でいろいろと調べようとするが、何をやっても妨害されて、再び画面が動き出す。

スマートフォンを使ってこのソフトウェアの名前を検索してみたら、以下のページなどにヒットし、やはりこれは新手のウィルスであることがわかる。

http://www.geocities.co.jp/Playtown-Yoyo/6130/notes/virus-syssec.htm

このページに出ている情報を参考にして、ウィルスの本体の場所を突き止め、削除してとりあえずの危機を回避する。

さらにこのページで推奨されている、根本的な対策を講じようとするうちに、Windows Updateが機能しなくなっていることに気がついた。

http://www.geocities.co.jp/Playtown-Yoyo/6130/notes/version-check.htm

調べてみると、Windows Updateの前提となっている、BITSというサービスや、Windows Updateのサービスそのものが存在しない。いろいろと調べていくうちに、どうやらWindows 7のシステムそのものが何らかの損傷を負っていることが分かってきた。

Windows 7のインストールDVDを使って、アップグレード・インストールを行ってみるが、BITSやWindows Updateのサービスは復旧しない。さらに調べるうちに、以下のサイトを見つけ、これを元にBITSとWindows Updateサービスの復旧を試みる。

http://answers.microsoft.com/en-us/windows/forum/windows_7-windows_update/windows-update-service-not-running/1ef40226-b057-4d2e-ab32-24ae03a31e92?page=4

ほぼ、このサイトの方法で良いのだが、私の場合はサービスそのものが全く無くなっていたので、以下のようなbitsとwuauengサービスを作成する様に、手順を追加・変更する必要があった。

regsvr32 c:\windows\system32\wuaueng.dll /s

sc create bits binpath= "c:\windows\system32\svchost.exe -k netsvcs" start= delayed-auto obj= LocalSystem

その後、なんとかWindows Updateが出来るようになるが、security patchのinstallに失敗して、再びBITSやWindows Updateのサービスが削除されてしまうことがあった。どうもWindows Updateの仕組み自体に問題があるような気がしてくる。

何度か修復を重ねて、全てのupdateを当て終わると、Microsoft Security Essentialsが使えるようになったので、内蔵ディスクとUSBドライブにフルスキャンを駆けてみる。

と、出るわ出るわ、合計5つほどのマルウェアスパイウェアなどが見つかった。

結論から言うと、今回の進入経路は更新されていなかったJava RTEのセキュリティ・ホールだったらしい。また、Windows Updateも途中で止まっていたので、そちらの脆弱性も原因である可能性がある。

実際に被害に会う前に、古いソフトウェアを動かしていることのリスクに敏感になるべきだと、改めて実感した。

Protools 10.2

昨年のProtools 10のリリースの後、しばらくおとなしかったと思っていたら、2012年に入って3月、5月、6月と、立て続けにupdateがリリースされた。特に今回の10.2は、updateとしては珍しくフルインストーラのみということで、いよいよ次は11かと思わせる流れになってきている。

10.2のインストールは、以前のversionを削除してから行うということになっているが、ここでひとつ注意点がある。10のリリースの際、Protools本体とAvid Virtual Instrumentが別パッケージになったことは前回言及したが、今回のupdateにはProtools本体しか含まれていない。つまり、Avid Virtual Instrumentを削除してはいけない。誤って削除してしまった場合は、10のリリースに含まれていたAvid Virtual Instrumentのインストーラで再度インストールすること。

今回はMbox2のドライバも特に問題なく動いた。Protoolsと一緒に使っているMelodyneも、VST to RTAS Adapterも、その先のいくつものVST pluginも問題なく動いている。

嵐(Protools 11)の前の静けさ、か?

Protools 10 on Windows 7 64bit

Protools 9の発売から1年も経たないうちにProtools 10が発売された。Protools 10は32bitアプリケーションとして動作し、Digidesignのハードウェアをサポートする、最後のリリースになるそうだ。
新機能はいくつかあるが、個人的にはSystem 5のconsole機能を取り込んだAvid Channel Stripに期待している。
Avid StoreでProtools 9からのアップグレードを購入して、ダウンロードする。今回からProtools本体と、Avid Virtual Instrumentsが別ファイルになっている。
Protools 10のインストールに先立って、旧版を削除する必要がある。Mbox2のdriverは残したままでよい。
Protools 10とAvid Virtual Instrumentsを導入後、Protoolsを起動すると、特に問題なく動いた。Protools 9で作成したセッションも、問題なく開く。3rd partyのpluginも問題ないようだが、Xpand2だけ音がでない。
Xpand2を使っていたセッションを開くと、XPand2.bigが見つからないというメッセージがでる。これは、c:\Program Files (x86)\Avid\Avid Virtual Instrumentsの下にあるので、Browseボタンを押して場所を指定してやると動く。
Protoolsのアップグレードは、毎回なにかあるなあ。

VideoStudio X4の画像乱れ・音ずれ

デジタルビデオカメラ(Panasonic TM30)を使って撮影したAVCHD動画と、ProToolsで録音した音声を素材に、VideoStudio X4で編集して、音楽物の動画を作成している。
1920x1080のHD動画をノートパソコン(Lenovo ThinkPad T500)で手軽に編集できるのは、10年前には想像できなかった、驚くべきテクノロジの進化の賜物だ。
VideoStudioは、家庭用のビデオ編集ソフトウェアである。気の利いた機能があり、価格も安く使いやすいが、音楽物の動画編集を行う場合は、気をつけるべき点がある。
今回の題材は、楽器を演奏する様子を撮影した動画と、実際に演奏された音声を同期する編集だったので、動画と音声の同期の精度は可能な限り上げる必要があった。もとの動画素材が29.97fpsなので、動画は約30分の1秒の精度での編集となり、+-15ms程度の音ずれは許容する必要がある。
今回は動画撮影時に同期予定の音を流して、ビデオカメラのマイクで録音しながら撮影したので、編集中の動画トラックにも音が入っている。サウンドミキサーの機能を使って、動画に含まれる音声と音声トラックの音声の波形を表示し、音を聴き波形を見ながら、音声素材を移動したり、動画のクリップの長さを調整したりして、動画と音声を合わせていく。
同期が終わったら、タイトルやクレジット、歌詞などの字幕を入れ、動画ファイルの書き出しを行う。この際、VideoStudioには、スマートレンダリングという機能があり、これが標準でONになっている。これは、編集によって内容がまったく変わらないフレームについて、動画ファイルの書き出しの際に再度エンコーディングを行わず、オリジナルのデータをそのままコピーすることで、動画ファイルの書き出し時間を短縮し、オリジナルの動画ファイルの品質を可能な限り保つ機能である。
単純な動画の切り貼り編集の場合はとても便利な機能だが、微妙な音声の同期や、多くの字幕が入る動画の場合、再エンコーディングが行われる部分と、行われない部分のつなぎ目で、フレームが欠落することがあり、画像が乱れたり、それ以降の部分で音ずれが発生する。
現状では、書き出した動画で音ずれが発生する場合は、スマートレンダリングをOFFにするしかない。これは、動画の書き出しの際に、オプションボタンを押すことで、ポップアップ・ウィンドウが現れ、設定を変更することができる。
複雑なビデオ編集を行う際、複数の部品に分けて編集・動画生成し、再度VideoStudioに読み込んで完成品を作るような時に、後半の工程で問題が顕在化することもある。そういう場合は、初期の工程に戻って動画生成をやり直す必要がある。