ギター輸入顛末記

ギターが欲しい。久しくギターを所有しておらず、ギターを弾くこともほとんどなかったが、いつかは再び自分のギターを持って、日常的な楽しみとしてギターを弾きたいと思っていた。しかし、とにかく自分のギターであれば何でもいいというわけではない。この期に及んで、敢えてギターを買おうというわけだから、見て楽しい、弾いて楽しいギターでなくてはならない。また、誰もが持っているような、普通のギターでは納得できない。特別高価なものである必要はないが、これこそ自分のギターだと思える、独特のものでなくてはならない。

そういう目で探してみると、意外にあっさりとこれだと思えるギターが見つかった。ひとつはGibsonのES Les Paulで、もうひとつはPRSのS2 Standard 24だ。

ES Les PaulはLes Paulの外観でありながら、内部構造がほぼES-335と同じ、セミアコの構造になっているギターだ。Les Paulに比べると軽く、豊かな響きがするという。ESシリーズ特有の、バイオリンの様なf字孔が空いている点が独特だ。色も何種類かあるが、Lemon Burstが気に入った。Les Paulの代名詞のようなRed Sunburstもあるが、裏面が黒というのが味気ない。かと言ってBlackや、Tabaco Sunburstは好みではない。Lemon Burstは表面のレモン色からオレンジ色へのグラデーションに、裏面の茶色が良く馴染み、美しい。

S2 Standard 24は、Les Paulにない現代的な特質を持ったギターだ。PRS独自のトレモノ・ユニット、コイルタップ機能付きのハムバッカー・ピックアップ、ロック機構付きのチューナー、24フレットのネックなどが魅力だ。形はどちらかというとFenderを思わせるような形だが、マホガニーのボディにマホガニーのネックを膠で接着した、セットネック構造を持っている辺りは、Gibsonにも通じるところがある。PRSと言うと、きらびやかな塗装のメイプルトップのボディのギターが印象的だが、私が気に入ったのはマホガニー単板のサテン仕上げという薄い塗装のモデルだ。木材の質感がそのまま表面に見られる、独特のモデルで、色も数種類あるが、中でもVintage Cherryが気に入った。PRSの現代的なデザインと機能を持ち合わせたギターでありながら、GibsonのSGシリーズのような色合いを持っているところが独特だ。

価格面ではS2 Standard 24はPRSの中では低価格な方なので、ES Les Paulの方が定価で比べると倍以上する。初心者に近い状態から再びギターを始めることを考えると、まず手ごろなS2 Standard 24を入手し、そこそこ弾けるようになってからES Les Paulを求めるというのが順当だろう。

ところが、こういう独特なモデルを選ぶと、なかなか手に入りにくいという問題がある。国産の製品と違って、GibsonもPRSも米国で生産され、日本に輸入されている製品なので、国内販売代理店で取り扱っていなければ、簡単に入手することはできない。ES Les PaulもS2 Standard 24も取り扱う代理店自体が少なく、私が求める色のものを扱っている店は皆無だった。困ったなと思っている間に、年月が過ぎていった。

そうこうするうちに、事件が起きた。ES Les PaulのメーカーであるGibson社の業績が悪化し、日本でいう会社更生法の適用を申請したのである。運よく会社が再建出来たとしても、売れ筋ではないES Les Paulのようなモデルは廃版になってしまうかもしれない。調べてみると、既に私が求めるLemon Burstは廃版になっていた!

こうなるともう一刻の猶予もならない。ただでさえ入手困難なES Les Paulなのだから、製造中止ともなればあっという間に中古市場でも人気高騰して価格が跳ね上がるかもしれない。とにかく店頭展示品でも中古品でも、手の届く価格で入手できるうちに買わなくてはならない。

以前考えていた購入順序など吹っ飛んでしまい、まずはES Les Paulを手堅く確保する気で調べてみると、やはり国内で販売しているところはない。有名楽器店の在庫どころか、怪しいオークションサイトにすら出ていない。たまに出ていても、売却済みだったりする。無い無いと思いながら探していると、ふと米国の楽器専門のネットショップReverbの広告が目に留まった。

米国のサイトながら、海外向けの販売も視野に入れているらしく、主な表示は日本語で表示されている。よく見ると、楽器販売店向けにネットショップの機能を提供しているサービスらしく、ひとつのサイトに数多くの店舗が商品を出している。検索してみるとES Les PaulのLemon Burstの中古を出品している店舗が複数見つかった。そのうちのひとつ、Dave's Guitar Shopを選んで、日本への配送に対応しているか聞いてみたところ、直ぐに返事が来て2万5000円ほどの配送料で送ってくれるという。早速注文すると、1日もしないうちに出荷され、UPSでの追跡番号が発番された。この後は、UPSのサイトで荷物の場所と状況を確認できる。

米国国内を何日かかけて何ヶ所か点々とした後、アンカレッジで税関の通関手続き中になった。備考欄に、発送者に荷物の詳細を確認中と出て、少し不安がよぎる。そのまま時間が経過した。

翌朝、UPSの日本支社の方から電話がかかってきた。曰く、輸入しようとしているギターの材質を教えて欲しいということだった。詳しくはお店の方にと前置きしつつ、メーカーサイトの情報を元に回答したところ、お店にも確認して通関手続きをします、とのことだった。

更にしばらく時間が経って、やっと日本に向けて出発した。アラスカでの通関に時間がかかり、本来の乗り継ぎ便を逃したらしく、結局丸一日遅れてしまった。UPSの国内配送は平日しか行われず、受け取り損ねると再配送の回数に制限があるということなので、先手を打ってUPSに連絡し、国内配送を提携関係にあるクロネコヤマトに変更してもらう。

成田での通関、クロネコヤマトへの引き渡しと順調に進み、結局注文してから一週間ほどで手元に届いた。受け取り時に、国内の消費税分の金額をクロネコヤマトのドライバーに支払う。ギターの場合は、購入金額の60%の価格に対する消費税で済む。

早速開封して見ると中古とは言え、新品と変わらない美しさで傷ひとつない。Gibson特有の甘い香りがする。アンプに繋いで鳴らしてみると、Les Paulの音がする。セミアコなので、アンプに繋がずに弾いても、そこそこ音が出る。まさに、見て楽しい、弾いて楽しいギターだ。

ES Les Paulの購入が思った以上に順調に済み、すっかりいい気分になった私は、その勢いでS2 Standard 24の購入の検討を始めた。国内にもいくつか輸入代行的なサービスで扱っているところもあったが、前回購入したReverbにもいくつも出品があり、新品でも割安なのだ。いくつか選んで、日本に配送できるか聞いてみる。しかし、何軒か聞いてみると、いずれも日本には配送出来ないと言う。前回購入したDave's Guitar ShopにはS2 Standard 24 SatinのVintage Cherryはないので、頼めない。どうも様子がおかしい。

諦めずに、Reverb以外のサイトも探してみるが、いずれも国外には配送出来ないと言う。どうやらギターに使われている木材が、輸出規制の対象となっているらしく、輸出許可取得の手続きが煩雑となるのを嫌っているらしい。前回の時は、単に運が良かったのだ。やっとUKのサイトで日本に配送してくれるというところを見つけて注文するが、翌日になってやっぱり配送出来ないという。曰く、最近規制が厳しくなって、対応に時間がかかるので、今は注文を受けられないというのだ。仕方がないので、キャンセルして返金してもらう。

こうなったら、多少割高でも国内で輸入代行をしてくれるサイトを当たってみることにする。幸いAmazonに出品する形でS2 Standard 24 SatinのVintage Cherryの輸入代行を受けてくれるところが見つかって、早速注文する。しかしお店から、商品の写真が間違っているので、注文内容を確認してほしいと連絡がくる。よく聞いてみると、私が欲しいのは24フレットのモデルだが、注文したものは22フレットのものだという。写真ではどう見ても24フレットなのだが、写真が間違っているのだとか。24フレットのものも扱っているが、価格はもっと高くなるという。それでは予算オーバーなので、諦めてキャンセルして、返金してもらうことにする。

さらに別のサイトを探すと、海外ギターの輸入を専門に扱っているサイトが見つかり、S2 Standard 24 Satin Vintage Cherryを扱っている。早速注文すると、すぐに返事がくる。輸出許可を取るのに余分に数千円費用が掛かると言うが、合計しても許容範囲だ。銀行振込とPayPalが選べるというので、PayPalで払うことにした。納品まで3週間前後だという。

しかし、その後、3週間経過しても連絡がこない。お店にメールを出し、電話もしてみるが、全く連絡が取れない。4週間経過しても連絡がこない。これは何か問題が起きたか、はたまた騙されたか、PayPalの「買い手保護制度」を使って、キャンセルするしかないかもしれないと、ほぼ覚悟を決めた頃になって、やっと国内で出荷した旨、連絡が来た。

翌日、到着して早速開封してみる。サイトには新品と表示されていたが、ピックアップやピックガードにはひっかき傷があるし、ボディのエンドピンのそばに2mm程度の打痕があるので、恐らく中古品か店頭展示品なのだろう。アンプに繋いで鳴らしてみると、ギターとしての機能には特に問題はないようだ。一応お店には説明を求めるメールを出してみたが、なんせ全く連絡が取れないところなので、回答は得られないだろう。

色々あったので、嬉しさも半減だが、ギターそのものは素晴らしい。木材の温かみを感じる、さらさらした仕上げの表面で、ネックも細く握りやすく、手を滑らせやすい。ソリッドボディーでサスティンが得られやすい割には、立体的なカットのせいか、厚みも感じず、ES Les Paulほどではないものの、適度に軽い。

ギターの輸入は一筋縄では行かない。どうしても国内で入手できないものでない限り、多少割高でも国内の楽器店で購入した方が良いだろう。やむを得ず輸入する場合、輸出許可の手続きに精通した業者を見つける必要がある。また、万が一の時のために、PayPalの「買い手保護制度」などが利用できる支払い方法を選ぶ方が安心だ。実際の注文前に、納得が行くまで業者に質問するのも良い。回答の内容だけでなく、回答が得られるまでの時間も重要だ。注文してから連絡が取れず、不安にならずに済むし、やむを得ずキャンセルする場合も、手続きがスムーズに出来る。

ThinkPad T500でWindows 10を動かす

一世代前に使っていたThinkPad T500は、購入時にWindows Vista 32bitが導入されていた。その後Windows 7 64bitにupgradeして使っていたが、現在使っているT530への移行後、リフレッシュを兼ねてWindows 10にupgradeした。というより、たまたまWindows 10への無料移行キャンペーンの最中で、うっかりupgradeされてしまった、という方が正しい。

Windows 10へのupdate直後はそれほど大きな問題もなかったのだが、その後、Windows 10のメジャーupdateの度に、画面が真っ暗になるという問題が出るようになった。

一度そうなってしまうと、セーフモードで起動しないと画面が全く映らないので、設定変更のしようもない。ところがWindows 10で、まともに起動しない状態から、セーフモードにする方法も結構面倒なのだ。

 

「Windows 10」をセーフモードで起動する方法について

 

上記サイトの情報を参考にして、セーフモードで起動しながらいろいろ調べてみると、だんだん事情が分かってきた。ThinkPad T500にはグラフィックス機能として、ATI Mobility Radeon 3650と、インテル グラフィックス・メディア・アクセラレータ X4500の、ふたつのデバイスが搭載されている。Windows 10も両方ともサポートしているが、優先して使われているらしいATI Mobility Radeon 3650の画面表示がおかしいらしい。このデバイスをデバイスマネージャーで無効にすると画面も正しく表示される。

しばらくその状態で放置していたが、メジャーupdateの度に同じ問題が起きるので、根本的に直したくなってBIOSの設定を調べてみた。するとどうやら、発売当初の初期設定では、これらのふたつのデバイスを、動的に切り替えながら使えるような設定がされていて、その機能はデバイスドライバー側の対応も必要としているようだった。Windows Vista当時のドライバーは動的切り替えに対応していたものの、Windows 10のドライバーは対応していないということなのかもしれない。

仕方がないので、BIOSでGraphic DeviceとしてATI Mobility Radeonのみを有効にするDiscrete Graphicsを指定し、OS Detection for Switchable Graphic も無効にしたところ、ATI Mobility Radeon 3650のみが認識されるようになり、かつWindows 10のドライバーで正常に動作するようになった。

R400、T400、T500、W500などのモデルをWindows 10にupgradeして使う場合は、要注意かもしれない。

 

スイッチャブル・グラフィックス よくある質問(FAQ) ‐ ThinkPad R400, T400, T500, W500

 

 

ThinkPad T530のSSDへの換装

5年前に購入したPCの内蔵HDDをSSDに換装した。3万5100円の投資で、最新型のPCに買い替えるよりも高い性能を発揮する。

現在主に使っているPCはThinkPad T530で、2012年11月から使っている。当初はWindows 7 64bitだったものを、2016年夏にWindows 10にupgradeした。内蔵HDDは、標準搭載のものを当初からHGSTのTravelStar 750GB/7200rpmを2ドライブに換装して使っていたが、その後2台とも同シリーズの1TBのものに置き換えた。音楽と動画の編集が主な用途なので、容量、速度ともにそれなりのスペックが必要なのだ。

このPCも購入から5年経過したので、本来であればそろそろ買い替えの時期だ。バッテリーは少し前に買い替えたものの、AC電源なしでは2時間ぐらいしか持たない。Windows 10にupgradeしてから起動ディスクの遅さが目に余る。当初余裕のあったDisk容量もだんだんと厳しくなってきた。より大きなものに換装しようにも、2.5inch HDDの1.5TBのタイプはかなり価格が高く、性能面では劣る。そこまでするならいっそPCごと買い替えようかと、物色し始めた。

ところが最近のノートパソコンは薄型が流行りで、ThinkPadのTシリーズは470s一択になっている。470sはとても魅力的なPCだが、内蔵ディスクがSSDが1台のみであるため、容量が制限される。オーダー時期にもよるがほとんどの場合、SSD PCIe-NVMeの512GB 1台が最大容量のようだ。まれに1TBが選べる時もあるが、販売価格の1/3をSSDの値段が占めるような状態になる。

全てのデータをPCに載せるのをあきらめ、仕掛中のデータのみPCに載せるようにすれば、なんとか512GBでもやりくりできるかもしれないと考え、T470sの注文をしかけたが、そこでとても重要なことに気が付いた。

今のThinkPad T530にはCPUとしてIntel Core i7-3720QMが搭載されている。これは合計4 coreのCPUで、PassMarkのベンチマーク値で8129という数値が出ている。一方、ThinkPad T470sは最大でもIntel Core i7-7600Uは合計2 coreのCPUで、PassMarkのベンチマークが5606なのだ。

5年の歳月が経ち、CPUは進化して、core当たりの性能は伸びているものの、ノートPCに搭載されるCPUはcore数が減っていて、合計能力では5年前のPCに劣るのである。

こんなことは今までなかったので、全く想定していなかった。前述のように音楽や動画の編集を主な用途としているので、core当たりの能力より、合計能力が高い方が圧倒的に有利なのだ。

さらに調べてみると、Intelは最新のモバイル用のCPUとして、i7-8550Uなどの4 core CPUを出しており、これを採用したノートPCも出始めている。残念ながらThinkPadシリーズでこれを採用したものはまだない。それにi7-8550UでもPassMark値では8031なので、i7-3720QMにわずかに及ばない。

この段階で、PC本体の買い替えはメリットがないことがわかり、Disk換装に方針を切り替えた。一番の悩みはOS用ドライブのアクセスが頻発することによる性能劣化なのだ。特に、起動後10分ほどは全く使い物にならない。

Diskの方を調べてみると、2.5inch HDDで7200rpmを達成し、1TBより大きなものはないが、SSDは既に2TBがあり、価格も以前より格段に下がっていることがわかった。

既にHDDの時代は終わり、SSDの時代になったということなのだろう。しばらくはT530のディスクをSSD SATA 1TBに換装してしのぎ、薄型ノートPCが内蔵2TBのSSDと、4 core以上のCPUを積むようになったら、PC本体を買い替えることにした。

1TBのSSD SATAはCrucialのMX300を3万5100円で購入した。今まで使っていたHDDが8000円程度だったと思うので、4倍の価格だ。でも、速度はそれ以上に速い。ディスクの移行はいつものように、Acronis True Imageのクローニングで行った。1TBの70%程度使っている状況だったが、7時間ほどでコピーが終わった。

電源を入れると、1分も立たずに起動し、すぐ使い始めることが出来る。今までは10分放置してからでないと使いものにならなかったので、夢のようだ。面白いことに、データを入れている2台目のDiskはHDDのままなのに、特に遅さを感じない。つまりOS用ディスクに集中している、アプリケーションやページファイルなどが遅さの原因だったのだろう。

 

ThinkPad X1 Yogaでトラック・ポイントが使えなくなる問題

その後、ThinkPad X1 Yogaでトラック・ポイントが突然使えなくなったり使えるようになったり、わけのわからない状態が続いていたのだが、あるときふと問題発生の条件が分かった。

併用しているThinkPad X1 Carbonの蓋を閉じている状態のものの上に、X1 Yogaを重ねて置いていると、突然トラック・ポイントやキーボードが使えなくなるのだった。その状態でX1 Yogaをちょっとずらすとマウスやキーボードが復活する。

FnLkやF1やF4のLEDが点灯している状態だと、トラック・ポイントやキーボードが使えなくなる際にLEDも同時に消えるのでとても分かりやすい。

まあ、あれなんでしょう、きっと。蓋閉じたときに何かするためのセンサーとかがついていて、それが真下にあるThinkPad X1 Carbonの何かに反応しちゃうんでしょう。

机の上が狭くて、いくつもPCを横に並べることができず、横着して、とりあえず使わないものを片付けて場所を空ける手間を省いていたのがいけなかったらしいです。

大量にThinkPad X1 Yogaの設定作業をするような目に遭っている方は、何台も縦に重ねて作業しないようにしましょう。(誰もしないかそんなこと・・・)

 

ThinkPad X1 Yogaでスリープから戻るとキーボードが使えない

引き続きThinkPad X1 Yogaで問題が出る。以前からあった突然キーボードやマウスが使えなくなる問題は、Lenovoのサイトから関連するデバイス・ドライバの類をダウンロードしてインストールしたら治ったが、何故か蓋というかディスプレイを閉じてスリープモードにしたのち、元に戻すとキーボードが使えなくなる。

Windowsメニューから電源ボタンのアイコンを押して、スリープを選んでスリープさせ、Fnキーを押して復帰した場合は問題ない。

色々調べて一通り試すが効果がなく、Lenovo Settingsなるものも試して言われるがままに最新状態にするが解決しない。

ふと、以前見たWeb記事を思い出して、ログインもしていないし、全く使ってもいなかったが、何時からか起動だけされていたOneDriveを、起動しないようにしてみると・・・、治った。

何なんだ、一体・・・。

 

 

ThinkPad X1 Yoga

昨年、ThinkPad X1 Yogaを2台購入したところ、1台はとても調子が良く、1台は今までのところ全く役に立っていない。元々はPCよりもタブレットの方を好んで使っている家人のために、タッチパネルである程度の事ができるということでこの機種を選んだ。最初の1台を初期設定する際にはとても好印象で、内蔵ドライブの容量がもう少しあれば、自分の仕事用にも十分使えると思った。

最初の問題は、自分のミスで、電源ケーブルの差込口近辺を破損してしまったことだった。初期設定作業中に電源ケーブルを机の前面から斜め前方に垂らすような状態で作業していて、ちょっと移動するときに電源ケーブルを足に引っ掛け、本体を引きずり落してしまったのだ。臨時の作業とはいえ、手を抜いて、あまりに適当な方法で電源を確保してために、大きな損失を負うことになった。流石に本体にひびが入ったまま引き渡すわけにもいかず、修理の見積もりを取ってみたところ、なんと新品を買いなおした方が安いことが分かった。ACアダプターの方はプラグが壊れてしまったものの、本体の方は割れているのはキーボードベゼルと電源コネクタの一部だけで、動作にはなんら支障はないのだが、修理窓口の見解では、マザーボードの交換が不可欠だということだった。

家人用には新たにもう1台同じ機種を購入して、引き渡し、こちらの方は予想以上の大好評だった。今まで感じていたPCへの不満の多くが解決したらしく、その後はPCの使い方に関する問い合わせも激減して、私の生産性も大いに向上した。正しく動作している限り、ThinkPad X1 Yogaは本当に素晴らしいPCだ。そのことは、ここで強調しておく。問題は、ひびが入ったもう一台の方だった。

さて、手元に残った1台の方を使うために、最初に手を打ったのはACアダプターの購入だ。ところが新たに購入したACアダプターをつなぐと、しばらくして電源に関する警告が出る。家人用のものをつなぐと問題がないので、どうも新しいACアダプターの方に問題があるらしい。そう言えば私はLenovo公式サイトではなく、Amazonで購入したのだった。どうも偽物をつかまされてしまったようだった。この問題はあらためてLenovoの公式サイトから購入しなおすことで解決した。割安の自称純正品は要注意だ。

しばらく使っていると、ふと画面の明るさを調整できないことに気づいた。標準設定のままだとすこしまぶしいので、Fn+F5で少し暗くしようとすると、インジケーターは下がっていくのに暗くならない。これはHotkey関連に問題があるに違いないとおもって、Lenovoから出ているupdateを一通り適用することにした。Mouse、Keyboard、Display、BIOSなど、いくつものupdateが出ているので、全部選択して一気にインストールしようとした。その途中で画面が真っ暗になって何も映らなくなった。

やむなく電源ボタンを長押しして、強制停止し、電源を入れなおしてみると、起動画面は表示され、OSに制御が移ったあたりで画面が暗くなる。どうにもならないので、OSを導入しなおすことにした。最近のPCはOSが初期導入されていて、リストア用のメディアもついてこないので、家人が使っているもう一台のバックアップから戻してみる。

これで一度は元に戻った。しかしやはり画面の明るさ調整ができない。グラフィックス関連のデバイスドライバーを調べると、Intel HD 520とかいうものらしい。Lenovoのサイトから最新版を入れてみる。そのとたん、また画面が真っ暗になった。再度OSをリストアする。

この問題はしばらく放置することにして、このPCの使い道を考えていたら、今度はWindowsのupdateが大量にやってきた。画面の問題は相変わらずだが、今度はそれに加えてキーボートとトラック・ポイントが使えなくなった。ThinkPad X1 Yogaはタッチパネルでも操作できるので、継続して利用は可能だが、そういう問題ではない。Lenovoのサイトからキーボードとマウス関係のドライバを入れて、一度は治る。が、すぐにまた再発する。何度かドライバの入れ直しをやっているうちにふと安定する。かと思ったら、ディスプレイを裏返してタブレットモードにして、元に戻したらまたキーボードとマウスが使えなくなる。やはり電源回りにひびを入れたときに、マザーボードにも機械的な損傷が出て、センサーがおかしくなっているか、などと思ったりもする。

キーボードとマウスの問題に加えて、画面が真っ暗になる問題も再発する。どうも、Windows Updateで何かが来るたびに何かが起きるような気もしてくる。画面が真っ暗になるたびにOSを入れなおすわけにもいかないので、HDMIケーブルを買ってきて、テレビをディスプレイ代わりにして復旧できるようにする。最近更新されたIntel HDのドライバを一つ前のものに戻せば治るとわかったからだ。

そんな難点をいくつも抱えたPCを本格的に使う気にもならず、しばらく放置していたが、最近になってふと、内蔵ディスクにOSの初期イメージが入っていることを思い出した。このPCの購入時点に近い状態に戻せるなら、もう少し何か手が打てるかも。というわけで、凝りもせず、再度OSを初期状態に戻してみた。ところが今度はOSのリストアが終わる前に画面が真っ暗になった。

こうなると意地なので、この機種に対応したIntel HD 520のドライバをかたっぱしから試してみる。削除したり、入れなおしたり、あれこれ試すうちに、再度Lenovoのサイトを見てみると以前試したものより新しいもの(Intel HD Graphics 520, ver. 21.20.16.4550) が出ている。早速ダウンロードしてインストールしてみると、今までの苦労が嘘のように安定した。購入以来一度も出来なかった、Fn+F5とF6で輝度調整することも出来る。

ところが、今度はキーボードとマウスが使えなくなる問題が再発した。しかし私にはなんとなく、今の最新のドライバをLenovoのサイトからダウンロードすれば治せるような気がした。キーボードとマウス関係のもので、Urgentになっているもの(Synaptics Pointing Device 19.3.4.83とタッチファームウェア4.19)をダウンロードしてインストールしてみたら、こちらもきれいに治った。

結局のところ、BIOSfirmwareデバイスドライバなど、ソフトウェアに起因する問題だったらしい。しかし、わずか1カ月遅く購入したもう1台の方では、全くこのような問題は出ていないのに、どうしてこんなにも差があるのだろう。

普通は同じ機種を同じ時期に2台も買ったりしないだろうから、当たりを引けば大満足、外れを引くとひどい目に遭うということなのかもしれない。

購入から9カ月ほどして、やっと懸案の問題がすべて解消したので、これからこのPCの使い道を考えることができる。そうこうするうちに、また病気が再発しないといいのだけれど・・・・。

 

 

Finale 2014 on Windows 10

Windows 10にupgradeしてから、特に大きな問題なく利用してきたが、Finale 2014でひとつ問題が起きた。

Finaleでは入力した楽譜を自動演奏して音を確認する機能があるが、画面上の再生ボタンを押す方法では、楽譜の最初からの演奏するか、前回演奏中止したところの続きから演奏することしかできない。演奏開始箇所を小節番号で入力する方法もあるが、煩わしい。補助的な方法として、演奏開始したい小節で、「スペースキーを押しながらマウスクリックする」という方法があり、これがなかなか便利なのだが、Windows 10になってからこれが動かなくなってしまった。

小節の上にマウスカーソルを合わせスペースキーを押すと、マウスカーソルが耳の形に変化する。その状態でマウスクリックすると再生が始まるはずなのだが、いくらクリックしても反応しない。サポートに問い合わせてみると、ノートPCのタッチパッドなどの内蔵マウスデバイスの場合、そうした症状が出る場合があるということで、外付けマウスで試してほしいとのこと。確かに私はThinkPadトラックポイントを使っているので、その場合に該当する。ただ、私は外付けマウスというものを使わないので、試すことが出来ないし、それで回避出来たとしても、この機能を使うためだけに外付けマウスを使うというのも、なんだか釈然としない。

サポートに教わった情報を踏まえて検索してみると、Microsoft社自身のサイトで、Windows 8上のゲームソフト等の問題として、以下のページの情報が出ていた。

http://answers.microsoft.com/ja-jp/windows/forum/windows_8-tms/%E6%96%87%E5%AD%97%E3%82%AD%E3%83%BC%E6%8A%BC/0bd654a7-2a1e-47f1-8539-f514e7fb7282?auth=1

このページに出ていたさらに別サイトからの引用の、以下の部分を参考にして、Windows 10で調べてみると全く同じ設定があり、変更することで問題が解決した。

> 1. チャームを表示して,「設定」をクリック
> 2.「PC設定の変更」をクリック
> 3.「PCとデバイス」→「マウスとタッチパッド」をクリック
> 4. 「タッチパッド」欄にある「入力中に誤ってカーソルを動かさないように,クリックが作動するまでの待ち時間を変更します」のドロップダウンリストから,「待ち時間なし(常に有効)」を選択する

私は今までWindows 7上でFinale 2014を使っていて、今回Windows 10にupgradeしたため、Windows 8でFinaleを使ったことがないし、ゲームの類もやらないし、他のソフトウェアではキーボード操作とマウスクリックを同時に行うショートカットをたまたま使っていなかったので、今までこの問題に引っかからなかったらしい。Finaleのサポートにも同じ情報を連絡し、ここにも書いておくことにした。