古いビデオの変換

さて、前回に続いて今度は古いビデオ素材の変換作業を行った。元ネタは実に様々なものがあり、VHS、8mm Video、Digital 8、DVD-Rなどなど。どれも最終的にはPC上でMP4にするとして、元ネタごとに取り込み方法を考える必要がある。

8mm VideoとDigital 8は以前SONYのGV-D200を購入してあったので、IEEE-1394経由でPCにつなげようとすると、最近のPCにはIEEE-1394がついてないことがわかる。かろうじて現役で使っているPCにはついているものがあったが、うっかり買い替えて破棄していたら危ないところだった。IEEE-1394は既に時代遅れなインターフェースの扱いらしく、USBからの変換アダプターなども無く、対応した古いPCを使うか、デスクトップPCにPCIカードでも差すしかないということらしい。8mm Videoからの取り込みは、IEEE-1394付きのPCが動いている間に全部済ませるしかない。

Digital 8を取り込んで見ると、撮影状態の良いものは、かなり画質が良いことがわかる。元の動画の画質を活かすためには、DVDレベルではだめで、Blu-rayかPC上の高画質のMP4にする必要がある。

VHSからの取り込みは、VHSデッキを調達する必要があるのはやむを得ないとして、いまさらアナログのキャプチャーボードなんて買いたくないので、HDDレコーダーのアナログ入力を使ってダビングし、DVD-RWBD-REに焼いて、PCに取り込むことにする。DVD-Rの素材も短いものが多いので、一旦HDDレコーダーにダビングして、まとめてBD-REに焼くのが手間が省けていいかもしれない。

いざやってみるといろいろ問題がでる。まずある程度長い尺のものになると、DVD-RW上で複数のVOBファイルに分割されてしまい、PC上のソフトで取り込んだ時に、つなぎ目で音が途切れたり、ずれたりする。DB-RE経由にすると今度はMP4 TSからMP4 PSへの変換の際、ソフトによって上手く変換出来なかったり、音声トラックの音質に問題が出たりする。動画、音声共にまともに取り込めても、ビットレートが低く、画質が元のテープよりかなり劣化したりする場合もあった。

試行錯誤の結果、DVD-RW上の複数のVOBファイルを、ffmpegのconcat:の機能を使って、ひとつのMPEG2ファイルに結合する方法が、もっとも綺麗につながり、かつ音ずれや音質・画質の問題が起きないことが分かった。

 

FFmpeg/DVDをmpg動画ファイルに変換 - kobapan @ wiki - アットウィキ

 

さらに編集やMP4への変換が必要な場合のみ、Premiere Elementsを使う。それでも一部のVHS素材からの動画で、画面がずれたり、余計な黒枠がついたりして、トリミングが必要になった。

VOBファイルからの取り込みの際、DVD-RWから直接ffmpegで読みだすと、頻繁にランダムアクセスが発生して効率が著しく落ちるので、一旦PC上にコピーしてからffmpegで処理するのが能率が良い。

その昔、アナログビデオをPCに取り込む作業を行った時に比べると、PC側の処理能力が格段に上がっていることと、ディスク容量が増えていて余裕があること、一部の作業工程をHDDレコーダーにオフロード出来ることなどから、ずいぶんやりやすくなった。

YouTubeなどクラウド・サービスの普及で、写真も動画もネットで保管・共有する時代になった。一方でスマホやデジタル・ビデオの普及で、撮影・保管されるビデオも増え、Blu-rayを使っても膨大なビデオを有効に管理・保管・共有するのは難しい。時代遅れとなったメディアからビデオを取り出し、出来るだけ良い画質でMP4に変換して、PCのHDDやネットに分散させて管理・保管・共有するのが最も効率が良いだろう。