VideoStudio X4の画像乱れ・音ずれ

デジタルビデオカメラ(Panasonic TM30)を使って撮影したAVCHD動画と、ProToolsで録音した音声を素材に、VideoStudio X4で編集して、音楽物の動画を作成している。
1920x1080のHD動画をノートパソコン(Lenovo ThinkPad T500)で手軽に編集できるのは、10年前には想像できなかった、驚くべきテクノロジの進化の賜物だ。
VideoStudioは、家庭用のビデオ編集ソフトウェアである。気の利いた機能があり、価格も安く使いやすいが、音楽物の動画編集を行う場合は、気をつけるべき点がある。
今回の題材は、楽器を演奏する様子を撮影した動画と、実際に演奏された音声を同期する編集だったので、動画と音声の同期の精度は可能な限り上げる必要があった。もとの動画素材が29.97fpsなので、動画は約30分の1秒の精度での編集となり、+-15ms程度の音ずれは許容する必要がある。
今回は動画撮影時に同期予定の音を流して、ビデオカメラのマイクで録音しながら撮影したので、編集中の動画トラックにも音が入っている。サウンドミキサーの機能を使って、動画に含まれる音声と音声トラックの音声の波形を表示し、音を聴き波形を見ながら、音声素材を移動したり、動画のクリップの長さを調整したりして、動画と音声を合わせていく。
同期が終わったら、タイトルやクレジット、歌詞などの字幕を入れ、動画ファイルの書き出しを行う。この際、VideoStudioには、スマートレンダリングという機能があり、これが標準でONになっている。これは、編集によって内容がまったく変わらないフレームについて、動画ファイルの書き出しの際に再度エンコーディングを行わず、オリジナルのデータをそのままコピーすることで、動画ファイルの書き出し時間を短縮し、オリジナルの動画ファイルの品質を可能な限り保つ機能である。
単純な動画の切り貼り編集の場合はとても便利な機能だが、微妙な音声の同期や、多くの字幕が入る動画の場合、再エンコーディングが行われる部分と、行われない部分のつなぎ目で、フレームが欠落することがあり、画像が乱れたり、それ以降の部分で音ずれが発生する。
現状では、書き出した動画で音ずれが発生する場合は、スマートレンダリングをOFFにするしかない。これは、動画の書き出しの際に、オプションボタンを押すことで、ポップアップ・ウィンドウが現れ、設定を変更することができる。
複雑なビデオ編集を行う際、複数の部品に分けて編集・動画生成し、再度VideoStudioに読み込んで完成品を作るような時に、後半の工程で問題が顕在化することもある。そういう場合は、初期の工程に戻って動画生成をやり直す必要がある。