ThinkPad X1 Yoga

昨年、ThinkPad X1 Yogaを2台購入したところ、1台はとても調子が良く、1台は今までのところ全く役に立っていない。元々はPCよりもタブレットの方を好んで使っている家人のために、タッチパネルである程度の事ができるということでこの機種を選んだ。最初の1台を初期設定する際にはとても好印象で、内蔵ドライブの容量がもう少しあれば、自分の仕事用にも十分使えると思った。

最初の問題は、自分のミスで、電源ケーブルの差込口近辺を破損してしまったことだった。初期設定作業中に電源ケーブルを机の前面から斜め前方に垂らすような状態で作業していて、ちょっと移動するときに電源ケーブルを足に引っ掛け、本体を引きずり落してしまったのだ。臨時の作業とはいえ、手を抜いて、あまりに適当な方法で電源を確保してために、大きな損失を負うことになった。流石に本体にひびが入ったまま引き渡すわけにもいかず、修理の見積もりを取ってみたところ、なんと新品を買いなおした方が安いことが分かった。ACアダプターの方はプラグが壊れてしまったものの、本体の方は割れているのはキーボードベゼルと電源コネクタの一部だけで、動作にはなんら支障はないのだが、修理窓口の見解では、マザーボードの交換が不可欠だということだった。

家人用には新たにもう1台同じ機種を購入して、引き渡し、こちらの方は予想以上の大好評だった。今まで感じていたPCへの不満の多くが解決したらしく、その後はPCの使い方に関する問い合わせも激減して、私の生産性も大いに向上した。正しく動作している限り、ThinkPad X1 Yogaは本当に素晴らしいPCだ。そのことは、ここで強調しておく。問題は、ひびが入ったもう一台の方だった。

さて、手元に残った1台の方を使うために、最初に手を打ったのはACアダプターの購入だ。ところが新たに購入したACアダプターをつなぐと、しばらくして電源に関する警告が出る。家人用のものをつなぐと問題がないので、どうも新しいACアダプターの方に問題があるらしい。そう言えば私はLenovo公式サイトではなく、Amazonで購入したのだった。どうも偽物をつかまされてしまったようだった。この問題はあらためてLenovoの公式サイトから購入しなおすことで解決した。割安の自称純正品は要注意だ。

しばらく使っていると、ふと画面の明るさを調整できないことに気づいた。標準設定のままだとすこしまぶしいので、Fn+F5で少し暗くしようとすると、インジケーターは下がっていくのに暗くならない。これはHotkey関連に問題があるに違いないとおもって、Lenovoから出ているupdateを一通り適用することにした。Mouse、Keyboard、Display、BIOSなど、いくつものupdateが出ているので、全部選択して一気にインストールしようとした。その途中で画面が真っ暗になって何も映らなくなった。

やむなく電源ボタンを長押しして、強制停止し、電源を入れなおしてみると、起動画面は表示され、OSに制御が移ったあたりで画面が暗くなる。どうにもならないので、OSを導入しなおすことにした。最近のPCはOSが初期導入されていて、リストア用のメディアもついてこないので、家人が使っているもう一台のバックアップから戻してみる。

これで一度は元に戻った。しかしやはり画面の明るさ調整ができない。グラフィックス関連のデバイスドライバーを調べると、Intel HD 520とかいうものらしい。Lenovoのサイトから最新版を入れてみる。そのとたん、また画面が真っ暗になった。再度OSをリストアする。

この問題はしばらく放置することにして、このPCの使い道を考えていたら、今度はWindowsのupdateが大量にやってきた。画面の問題は相変わらずだが、今度はそれに加えてキーボートとトラック・ポイントが使えなくなった。ThinkPad X1 Yogaはタッチパネルでも操作できるので、継続して利用は可能だが、そういう問題ではない。Lenovoのサイトからキーボードとマウス関係のドライバを入れて、一度は治る。が、すぐにまた再発する。何度かドライバの入れ直しをやっているうちにふと安定する。かと思ったら、ディスプレイを裏返してタブレットモードにして、元に戻したらまたキーボードとマウスが使えなくなる。やはり電源回りにひびを入れたときに、マザーボードにも機械的な損傷が出て、センサーがおかしくなっているか、などと思ったりもする。

キーボードとマウスの問題に加えて、画面が真っ暗になる問題も再発する。どうも、Windows Updateで何かが来るたびに何かが起きるような気もしてくる。画面が真っ暗になるたびにOSを入れなおすわけにもいかないので、HDMIケーブルを買ってきて、テレビをディスプレイ代わりにして復旧できるようにする。最近更新されたIntel HDのドライバを一つ前のものに戻せば治るとわかったからだ。

そんな難点をいくつも抱えたPCを本格的に使う気にもならず、しばらく放置していたが、最近になってふと、内蔵ディスクにOSの初期イメージが入っていることを思い出した。このPCの購入時点に近い状態に戻せるなら、もう少し何か手が打てるかも。というわけで、凝りもせず、再度OSを初期状態に戻してみた。ところが今度はOSのリストアが終わる前に画面が真っ暗になった。

こうなると意地なので、この機種に対応したIntel HD 520のドライバをかたっぱしから試してみる。削除したり、入れなおしたり、あれこれ試すうちに、再度Lenovoのサイトを見てみると以前試したものより新しいもの(Intel HD Graphics 520, ver. 21.20.16.4550) が出ている。早速ダウンロードしてインストールしてみると、今までの苦労が嘘のように安定した。購入以来一度も出来なかった、Fn+F5とF6で輝度調整することも出来る。

ところが、今度はキーボードとマウスが使えなくなる問題が再発した。しかし私にはなんとなく、今の最新のドライバをLenovoのサイトからダウンロードすれば治せるような気がした。キーボードとマウス関係のもので、Urgentになっているもの(Synaptics Pointing Device 19.3.4.83とタッチファームウェア4.19)をダウンロードしてインストールしてみたら、こちらもきれいに治った。

結局のところ、BIOSfirmwareデバイスドライバなど、ソフトウェアに起因する問題だったらしい。しかし、わずか1カ月遅く購入したもう1台の方では、全くこのような問題は出ていないのに、どうしてこんなにも差があるのだろう。

普通は同じ機種を同じ時期に2台も買ったりしないだろうから、当たりを引けば大満足、外れを引くとひどい目に遭うということなのかもしれない。

購入から9カ月ほどして、やっと懸案の問題がすべて解消したので、これからこのPCの使い道を考えることができる。そうこうするうちに、また病気が再発しないといいのだけれど・・・・。