ThinkPad T490sへの移行

以前、以下の記事で、当時メインで使っていたThinkPad T530からのパソコンの買い替えを諦め、内蔵ディスクをSSDに換装した話を書いた。その時、「薄型ノートPCが内蔵2TBのSSDと、4 core以上のCPUを積むようになったら、PC本体を買い替えることにした」と書いたが、それからわずか1年半でこの条件を満たすパソコンが出てきて、買い替えることになった。 

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新たなパソコンは、ThinkPad T490sで、Core i7-8565U 1.8GHz、8GBメモリー、2TB SSD、タッチパネル付きのFull HD液晶、LTE対応SIMスロットと言った構成である。T530からの買い替えということで、T580やT590も検討したが、めったに使わないテンキーが付いているせいで、キーボードが全体に左側に偏った配置になっているのが気に入らなかった。また、仕事用でX1 CarbonやT480を使ってみて、とても印象が良かったことと、最近持ち歩いて作業することが多く、T530の重さと大きさ、バッテリー持ちの悪さが足かせになってきたことも大きい。

前回検討時の結論としては、買い替えの条件は、能力でCore i7-3720QMを上回る4 core CPUの搭載と、合計で2TBの容量を持つSSDの搭載というものだった。CPUについてはT480あたりから条件を満たしていたが、メーカー構成で2TBのSSDを積むThinkPadは未だにない。また、大容量SSDは、他のパーツに比べて価格が高く、パソコンの値段を押し上げる一番大きな要素となっている。そこで、今回はT490sは512GBのSSDを搭載した構成で購入し、別途市販のパーツとして購入した2TBのSSDと換装することにした。

メーカー搭載のパーツとしてのSSDは未だに価格が高止まりしているが、ここに来て市販パーツのSSDの価格は劇的に下がっている。1年半前にT530用に購入した2.5 inch SATA 1TBのSSD (Crucial MX300, CT1050MX300SSD1/JP)が3万5千円だったのに、今回購入したPCIe 3.0/NVMe 2TBのSSD (Intel 660P, SSDPEKNW020T8X1)はもう3万円を割っているのだ。

ゴールデンウィーク直前からの大幅割引キャンペーンに誘い込まれるように注文してから、約3週間で品物が届き、同時に注文してあった2TBのSSDも届いたので、早速初期設定とSSDの交換作業に入る。

まずは、パソコンの初期動作の確認を兼ねて、元の構成のままで起動し、Windowsの初期設定を行う。続いてWindows Updateも適用しておく。一通り動作を確認出来たら、外付けケース(アイティプロテック AOK-M2NVME-U31G2 )に入れた換装用SSDをUSBポートに接続して、内蔵SSDのクローンを行う。LenovoのPCには、内蔵ディスクに3つのパーティションがあり、OS用以外にBoot Managerやリカバリー用のものがある。Windows Backupでバックアップ&リストアすると、同じパーティション構造のものは作れないので、Acronis True Imageを使ってクローンを作成する。

無事に終わったら、いよいよSSDを換装する。最近のThinkPadは薄型になり、パーツ交換も裏面パネルを外す必要があるので、以前に比べると慎重な作業が必要だが、検索すれば先人達の経験談が豊富にあり、大きなリスクはない。多少注意が必要なのは、何本か外すネジのうち、内側にプラスティックのワッシャーが付いているものがあり、ネジが引き抜けないものあるということぐらいだ。無理に引き抜くと、後でワッシャーをはめなおすのに手間がかかる。SSDの換装が終わると、あっさり、何も問題なく起動し、2TBの内蔵ドライブとして認識される。

続いて、SIMを挿して携帯電話網との接続を確認する。普段SIMを挿して使っている7 inchタブレットからSIM (OCN Mobile Oneのnano SIM)を抜いて、T490sに挿してみる。これもあっさり認識し、Windowsの設定の「ネットワークとインターネット」の「携帯電話」の「詳細オプション」でAPN等を設定すると、あっさり接続した。今後のパソコンやタブレットには、SIMが不可欠になりそうだ。OCN Mobile Oneは一契約で通信量を共有できるSIMを複数持てるので、早速SIMを追加注文する。

ハードウェア的に新しいものを一通り確認し終えると、次はソフトウェアとデータの移行だ。前のT530は結局7年も使ったので、その間大量のソフトウェアが導入されている。中には同じソフトウェアの新旧版が複数入っているものもある。この際、今後も使い続けるものだけに絞って導入しよう。

まず、ChromeFirefoxAcrobat Reader DCなどの必須ツールを入れる。その後、CapsLockと左Controlの入れ替えと、IMEの設定を変更する。

続いて、Cygwinを導入し、Cygwin上で使っているツールやデータを旧PCから移行する。この辺りはデータ量も少ないので、Windowsのファイル共有で接続しておいて、Cygwin上でtarやrsyncなどでコピーする。

旧PC上に導入イメージがあるソフトウェアについては、USB HDD経由で移行する。音楽・映像関係は数も量も多い。Protools 12、Ivory、MelodyneWAVES/L3-16、Metric Halo/Charactor、BlueCat Freeware pack、Finale 26、VOCALOID5、巡音ルカPremiere Elements 14などを導入する。AudacityGIMPなどは最新版をInternetからダウンロードして導入する。

並行してソフトウェアのライセンスを移行する。導入時点でライセンスキーを要求されるだけのもの、iLokなど外部キーで管理しているもの、Internet経由でデ・アクティベーションアクティベーションを行うものなど、ライセンスの管理方法も様々だ。中には登録サイトが変わっていたり、ユーザーやパスワードを忘れてしまったりしていたものものあり、ひとつひとつ調べなおす。

最後の大物は大量のデータの移行だ。移行元のT530には1TBのSATA HDDが2台入っていて、1.4TB程度のデータ量がある。ファイル単位でUSB HDD経由でコピーすると権限関係で読み出しできなくなったりすると厄介なので、T530側からtarでUSB HDDに書き出し、それをT490sに接続しなおしてtarで読み取ることにする。ファイルの数が多いので、書き込み先がSSDでもかなりの時間がかかる。一晩流しっぱなしでなんとか移行を終えたが、今後はEthernetで直結しておいて、rsyncで差分を見ながら少しずつコピーするという手もあるかもしれない。

移行作業をしながら一通りT490sを使ってみたが、X1 carbonより少し厚く、T480より少し薄いという感じで、印象はとても良い。どなたかのレビューで、負荷がかかると右側の排熱ファン近辺が熱くなるとあったが、その通りだった。T490sの右側には隙間を空けておくことにしょう。