ThinkPad T530のSSDへの換装

5年前に購入したPCの内蔵HDDをSSDに換装した。3万5100円の投資で、最新型のPCに買い替えるよりも高い性能を発揮する。

現在主に使っているPCはThinkPad T530で、2012年11月から使っている。当初はWindows 7 64bitだったものを、2016年夏にWindows 10にupgradeした。内蔵HDDは、標準搭載のものを当初からHGSTのTravelStar 750GB/7200rpmを2ドライブに換装して使っていたが、その後2台とも同シリーズの1TBのものに置き換えた。音楽と動画の編集が主な用途なので、容量、速度ともにそれなりのスペックが必要なのだ。

このPCも購入から5年経過したので、本来であればそろそろ買い替えの時期だ。バッテリーは少し前に買い替えたものの、AC電源なしでは2時間ぐらいしか持たない。Windows 10にupgradeしてから起動ディスクの遅さが目に余る。当初余裕のあったDisk容量もだんだんと厳しくなってきた。より大きなものに換装しようにも、2.5inch HDDの1.5TBのタイプはかなり価格が高く、性能面では劣る。そこまでするならいっそPCごと買い替えようかと、物色し始めた。

ところが最近のノートパソコンは薄型が流行りで、ThinkPadのTシリーズは470s一択になっている。470sはとても魅力的なPCだが、内蔵ディスクがSSDが1台のみであるため、容量が制限される。オーダー時期にもよるがほとんどの場合、SSD PCIe-NVMeの512GB 1台が最大容量のようだ。まれに1TBが選べる時もあるが、販売価格の1/3をSSDの値段が占めるような状態になる。

全てのデータをPCに載せるのをあきらめ、仕掛中のデータのみPCに載せるようにすれば、なんとか512GBでもやりくりできるかもしれないと考え、T470sの注文をしかけたが、そこでとても重要なことに気が付いた。

今のThinkPad T530にはCPUとしてIntel Core i7-3720QMが搭載されている。これは合計4 coreのCPUで、PassMarkのベンチマーク値で8129という数値が出ている。一方、ThinkPad T470sは最大でもIntel Core i7-7600Uは合計2 coreのCPUで、PassMarkのベンチマークが5606なのだ。

5年の歳月が経ち、CPUは進化して、core当たりの性能は伸びているものの、ノートPCに搭載されるCPUはcore数が減っていて、合計能力では5年前のPCに劣るのである。

こんなことは今までなかったので、全く想定していなかった。前述のように音楽や動画の編集を主な用途としているので、core当たりの能力より、合計能力が高い方が圧倒的に有利なのだ。

さらに調べてみると、Intelは最新のモバイル用のCPUとして、i7-8550Uなどの4 core CPUを出しており、これを採用したノートPCも出始めている。残念ながらThinkPadシリーズでこれを採用したものはまだない。それにi7-8550UでもPassMark値では8031なので、i7-3720QMにわずかに及ばない。

この段階で、PC本体の買い替えはメリットがないことがわかり、Disk換装に方針を切り替えた。一番の悩みはOS用ドライブのアクセスが頻発することによる性能劣化なのだ。特に、起動後10分ほどは全く使い物にならない。

Diskの方を調べてみると、2.5inch HDDで7200rpmを達成し、1TBより大きなものはないが、SSDは既に2TBがあり、価格も以前より格段に下がっていることがわかった。

既にHDDの時代は終わり、SSDの時代になったということなのだろう。しばらくはT530のディスクをSSD SATA 1TBに換装してしのぎ、薄型ノートPCが内蔵2TBのSSDと、4 core以上のCPUを積むようになったら、PC本体を買い替えることにした。

1TBのSSD SATAはCrucialのMX300を3万5100円で購入した。今まで使っていたHDDが8000円程度だったと思うので、4倍の価格だ。でも、速度はそれ以上に速い。ディスクの移行はいつものように、Acronis True Imageのクローニングで行った。1TBの70%程度使っている状況だったが、7時間ほどでコピーが終わった。

電源を入れると、1分も立たずに起動し、すぐ使い始めることが出来る。今までは10分放置してからでないと使いものにならなかったので、夢のようだ。面白いことに、データを入れている2台目のDiskはHDDのままなのに、特に遅さを感じない。つまりOS用ディスクに集中している、アプリケーションやページファイルなどが遅さの原因だったのだろう。