ナチュラルチーズをホールで買う

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訳あってトーマ・ピエモンテーゼDOPというナチュラルチーズを、ホールで買って毎日食べている。このチーズはイタリア製で、日本では扱っている店がほとんどない。あちこち探して、クオレサルドという会社が扱っていることがわかった。この会社はサルディーニャ島やイタリア本土の食材を取り扱っていて、オンラインショップはないが、ホームページに記載されているメール・アドレスに問い合わせて注文することが出来る。

最初はお試しで1kg単位で注文したが、美味しくてあっという間に食べてしまったので、2回目からはホールで買っている。ホールひと玉の重さは毎回異なるが、だいたい5kg前後だ。賞味期限は2ヶ月ぐらいなので、届いてから8週間で食べきることにしている。

このチーズはセミハードタイプなので、普通の包丁でカットできる。まず半分に切って、それを更に1/16のサイズに切り分ける。1週間に1/16の塊をふたつぐらいのペースで食べれば、8週間で食べきれる。ふたりで食べているので、ひとりあたり毎週1/16の塊をひとつ食べることになる。

ホールは写真でわかる通り円筒形なので、1/16に切り分けるのは難しくないが、1/16に切り分けたものをさらに毎日食べるサイズに切り分けるところが難しい。1/16を1週間で食べるために、7等分する必要があるからだ。

1/16に切り分けて周囲の皮を切り取ったものを、以下のような三角柱だとすると、これをまずふたつに切り分け、それぞれを4つと3つに切り分けることを考えてみた。ある塊を4等分するのは簡単だし、3等分でもまあそれほど難しくはない。三角柱をふたつの塊に切り分けて、後で4等分する方と3等分する方の体積比が、4:3になるようにする必要がある。以下の図の例では、後で4等分する方が、元の三角柱から小さな三角柱を切り出すような形になっている。つまり、切り出した小さな三角柱の体積が、元の三角柱の体積の4/7になっていればよいのだ。

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三角柱の体積は底面の三角形の面積に高さをかけたものになる。つまり、底面の三角形から切り出した小さな三角形の面積が、元の三角形の面積の4/7にする方法を見つければよい。

1/16のチーズの底辺は、元のチーズの底面の円の半径と同じ長さの辺をふたつ持つ、二等辺三角形に近似できる。二等辺三角形の同じ長さの2辺の長さを1、2辺の角度をθとすると、1/16のチーズの底辺の面積はsin θ 1^2 / 2、つまりsin θ / 2と等しい。

底辺の二等辺三角形を頂点からxの長さで小さな二等辺三角形に切り取った場合、小さな二等辺三角形の面積はsin θ x^2 / 2に等しい。

小さな二等辺三角形の面積が、元の大きな二等辺三角形の面積の4/7になるためには、以下の式を解けばよい。

 

( sin θ x^2 / 2 ) / ( sin θ / 2 )= 4 / 7

 

これを解くと、x = √(4/7)となり、x ≒ 0.7559となる。

 

つまり、大雑把に言うと、1/16のチーズの底辺の二等辺三角形の、底辺から頂点に向かって大体1/4のところで切り分ければ、体積比にして4:3に切り分けられるということになる。これもそれほど難しい作業ではない。

実際にやってみると、7つに切り分けたチーズの形は異なるものの、大体ひとつ35g前後になることがわかった。元のチーズが全体で5kg前後なので、2割程度は皮の重さだとすると、5kg * 0.8 / 16 / 7 = 35.7gなので、大体計算は合っている。

切り分けたチーズは丁寧にラップでくるんで冷蔵庫に保存する。切った断面にラップを密着させるのがコツだ。切った断面はカビが生えやすくなるので、最初に半分に切った後は、毎週食べる分だけ切っていき、残りは皮ごとラップにくるんで保存する。