要介護2の母と暮らす

今年の年初に母が脳梗塞で倒れ、要介護2となり、それ以来、家事一切をひとりでやっている。この6年ほど実家で母と暮らしているが、80代後半という年齢の割には元気で何でも自分でやる人だったし、私もフルタイムで働いているので、突然やってきた介護生活には戸惑いが多かった。

仕事と介護の両立については、以前からリモート勤務が可能だったこともあり、余程のことがなければオフィスやお客様先には行かないことにして対応した。最初は多少職場でぎくしゃくすることもあったが、幸か不幸かCOVID-19の影響が出始めた頃でもあったので、すぐに問題なくなった。

とは言え、一番困ったのは三食の準備だ。以前から買い物や後片付けは私がやることが多かったので、問題は主に料理だった。幸い母は作り置きのおかずを多用する方式で、レシピをメモに書いていたので、まずはそれを参考に作ることにした。どれも日持ちするので、一品を4~5日に一度作るぐらいで回る。空いている時間に作っておけばよいし、慣れれば大した手間はかからない。

そうこうするうちに、コンロが壊れ、リンナイのデリシアに買い替えた。ついでにキッチン用のファンも買い替えた。新しいファンは、コンロと連動して自動的にコンロ上の照明をつけたり、ファンを回したりすることができる。コンロの電源を止めれば照明も消え、3分後にファンも消える。コンロの火加減によって、ファンの風力も自動的に変わる。ここのところ、めっきり耳が遠くなり、認知症の傾向も出てきた母は、ファンを消し忘れることが多かったので、こうした機能はありがたい。また、デリシアには自動調理機能がついていて、煮物や蒸し物、焼き物なども安全に調理できる。火の消し忘れがあっても、最悪鍋を焦がす程度で済む。

予想外に良かったのは、デリシアについてくるダッチオーブンのような鍋で、無水料理や野菜の蒸し物を自動調理でとても美味しく作ることが出来る。母のレシピに加えて、かぼちゃの蒸し物、野菜のマリネ、ラタトゥイユなどを作り、おかずのバリエーションも増えた。ネットで検索したレシピを応用して、新たなメニューを考えるのも楽しい。

次に困ったのは洗濯で、母は洗濯物が多く、可能な限り日に干していたのだが、在宅勤務とは言え、フルタイムで働きながらそれは出来ない。浴室乾燥機などを使って室内干しにするにも手間がかかるので、ドラム式洗濯機の乾燥機能に頼ることにした。以前から乾燥機能付きのドラム式洗濯機を使っていたが、しわになるのと時間がかかるので、日常的には使っていなかったのだ。しかし、最近買い替えた新しいモデルでは、とても短時間で乾くし、以前に比べるとしわになりにくい。特にタオルなどはふんわり仕上がり、日に干すよりも評判が良い。

家事を行うのと同時に、家のリフォームもした。風呂は以前、母のためにベンチ付きのものに変えたので特に今回は何もしなかったが、トイレのリフォームで手すりを増やした。また、動きの悪くなっていた天戸や窓、ドアなども調整して貰った。母が洗濯ものを干すための、一階の和室の縁側も、奥行が広くて手すりのあるベランダ形式のものに作り替えてもらった。母が動き回る範囲は、不安なく移動できるようにして、母が自由に動けるようにするのが、回復に一番よい。

一通り家事が回るようになると、母が何もしなくても済むようになったのは良いが、母の運動量や、物を考える時間が減ってしまい、認知症が進んでしまうリスクが出てきた。かと言って無理に何かを勧めてもやらないので、母が興味を示したものから少しずつやってもらうようにするしかない。最初は自分で食べたい食材や、着たい洋服を、注文するというようなところから始めた。食材は生協のデリバリーのカタログから選び、注文票を書いて貰い、配達を受け取る役目をやってもらう。注文を間違えたり、忘れたり、配達時間に寝ていたりするので、適宜フォローする必要がある。ネットでの注文や、コンビニや銀行振込などは代わりに私がやる必要があるが、自宅にいても欲しいものが手に入ると分かると、本人の意欲向上につながる。洗濯物を自分で干したいとか、風呂に自分で入りたいとか、本を読みたいとか、本人が示す意欲を捉えて、無理なく出来るように対応していくのが良い結果につながる。

一方、庭の世話や、部屋の片づけ、掃除などは、極端に手を抜いている。庭は年に一度植木屋さんに来てもらうことにして、部屋の片づけはゴミ出しと大物の片付け以外は必要に迫られるまでやらない。掃除もほこりが気になるまでやらない。気が向かないことはやらないでも良いことにすることで、自分のストレスを減らしている。

一日中家にいて母の面倒ばかり見ていると気が滅入るので、たまにはひとりで食事と留守番をしてもらって、私も外に出かける。母もひとりで過ごす不安と同時に、自由にできる気楽さがあるようで、特に引き止められたりしない。

母は少しずつだが回復し、倒れてから約一年経った今では、少し料理もするようになったし、たまに洗濯機を自分で操作するようにもなった。

家族の救急搬送に立ち会う

今年の正月明け早々に母が倒れて救急搬送された。母が救急搬送されるのはこれで二回目。前回は鼠経ヘルニアだったので、病状の進行も緩やかで、本人も自覚もあり、意識もしっかりしていた。しかし、今回は軽い脳梗塞だったので、進行が急で、本人は自覚がなく、意識も朦朧として、何より自力で立てない状況だった。恐らく倒れてから同居している私が気付くまで、30分~1時間ぐらいは経過していたものと思われる。

このような場面に出会うと、状況によっては119番に電話するべきかどうか迷うかもしれない。はたから見て、どう考えても普段と違った様子で、本人が自力でどうにもならない状況に陥っている場合や、通常の通院で診察して貰えるまで待てそうもない場合は、迷わず119番に電話するべきだ。幸い本人の意識がはっきりしている場合は、本人とよく相談して決めても良い。ただし、こまめに状況の変化がないか確認し、繰り返し救急搬送を勧めてみることも大切。私は利用したことはないが、迷ったら救急相談センター(#7119)に電話して相談する手もある。

自宅から救急車を呼ぶのは、生前の父の時と合わせて3回目だし、自家用車での搬送・入院も含めると8回ぐらい経験しているのだが、やはり何度やっても慣れるものではない。こういう時は誰でも慌ててしまうものだし、慌てると答えられて当たり前のことがすぐに口をついて出なかったりする。119番に電話すると最初に聞かれるのは、火事か救急かということ。続いて名前、住所、倒れた人の名前と生年月日、状況などを聞かれる。電話番号については、119番に電話しているこちらの電話機の番号が先方にも伝わっているようだが、後で救急隊から電話を貰う際に携帯電話に掛けて欲しい場合などは、携帯電話の番号を伝えておいた方が良い。

119番して救急車を呼んだら、次にすることは患者を出来るだけ安全な状態にすること。頭を打っている場合は下手に動かさない方がいいこともあるが、吐きそうな時は横向きに寝かせるとか、椅子に座っているとか、何かに寄っかかっている時は、それ以上落ちない状態にする程度でよい。寒そうなら毛布を掛ける、暑そうならエアコンをつけるなりする。人ひとりで人を動かすのは結構大変なので、無理する必要はない。

患者の安全を確保したら、次は出掛ける準備をする。救急搬送の際、家族がいれば誰かが救急車に同乗して病院まで行くことになる。病院でも数時間は待たされるし、病院からの帰りは自力で戻ってくる必要があるので、そのつもりで準備する。前回の搬送の時は夜遅くだったので、病院からの帰りは歩いてタクシーが拾えるところまで戻る羽目になった。財布(タクシー代)、スマホ、自宅のカギ、冬なら防寒、雨天なら傘などが重要。患者の保険証とお薬手帳なども必要になるが、これは最悪、後でも良い。どうせ入院となると保証人とか印鑑とか、いろいろ必要となり、全部この段階で準備するのは無理。

救急車が来ると住所を伝えてあっても、すぐにこちらを見つけてくれないこともある。患者を出来るだけ安全な状態にしておいて、サイレンの音が聞こえたら、表に出て手を振ったり声をかけたりして、誘導する。玄関から患者までの動線を確保し、後は救急隊の邪魔をしないように、質問に答え、依頼に対応する立場をとる。倒れてからその時までの経過を聞かれる。

搬送されることになったら、戸締りをして、救急車に同乗する。救急車は、同乗する者にとってはとても乗り心地が良いとは言えない。車酔いしやすい人は、しっかりつかまって、じっとしていること。

病院に着くと、家族はひたすら待たされる。病状の説明があるのは早くても一時間以上経ってからなので、辛抱強く待つしかない。この間に、他の家族、特に入院時に保証人になってもらう人や、入院のサポートを頼めそうな人に、連絡をしておくこと。

数時間後には、病状の説明や、今後必要なことについて説明があり、許される状態であれば患者の病室を訪ねたり、話したりできる。その後、帰宅出来るようになるので、病院の住所や電話番号、患者の病室番号、入院手続き、患者のために持ってくるものなどをメモして、帰宅する。病院を出ると、大抵の場合は、右も左もわからない状態で自宅を目指すことになるので、帰宅できる自信がない場合は病院の人に聞くこと。

ThinkPad X1 Yogaの復活 その2

キーボードベゼルの交換時に発見した指紋リーダーが、どうやっても動かない。デバイスの認識すらされない。もう一度裏蓋を空け、スピーカーとバッテリーを外して配線を確認してみたところ、指紋リーダーとマザーボードをつなぐ、フレキシブルフラットケーブルのマザーボード側の端子付近のところで、2mmほどの亀裂を見つけた。このケーブルは6mm幅の中に0.5mmピッチで8本の電線が詰まっているものなので、2mmの亀裂でも数本の電線が切断されてしまう。どうやらキーボードベゼルの交換作業中に、誤って切ってしまったらしい。

フレキシブルフラットケーブルは、単体では保守部品として販売されていない。Base Miscellaneous Kitという、この手の細かい部品を集めたものとして、$49で販売されている。ところが国内では扱っている店がなく、海外の店では販売はしているが、日本への輸出には対応していない。

困ったなと思いながら、ケーブルをしげしげと見てみると、表面に何やら型番やメーカー名のようなものが書いてある。検索してみると、ケーブルそのものは一般的な商品らしい。芯線の数や、ピッチ、幅、長さなどで、様々な種類がある。あちこち探して、条件を満たすものを見つけ、早速注文する。送料は別途かかるが、1本400円足らずだった。

数日で届いて交換してみると、あっさり認識されて指紋リーダーが動くようになった!

 

ThinkPad X1 Yogaの復活

 一昨年、以下の記事で紹介した、購入したばかりなのにキーボードベゼルを破損してしまい、その後もディスプレイだのキーボードだのマウスだのが言うことを聞かず、すっかりお蔵入りになっていたThinkPad X1 Yogaが、ついに購入当時の姿を取り戻す日が来た。

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以前の記事で紹介した通り、当時はLenovoに修理を依頼しようとするも、購入代金を超えるような修理代の見積もりとなり、断念せざるを得なかった。それでも、キーボードベゼルに入ったひび以外には、これと言って問題のない状態まで復活したので、そのまま眠らせておくには惜しい。実際、軽さとバッテリー持ちの良さを活かして、ライブ・イベントの画像出し用に使ったり、電源のない場所での一時的な作業用に使ったりして、それなりに役に立つシーンはあったものの、やはり自分のメインの作業用に使うにはいまひとつ物足りない。誰かに譲るにしても、キーボードベゼルにひびが入った状態では気が引ける。

購入当時はまだ発売後間もない頃だったこともあり、キーボードベゼルだけを保守部品として購入することは出来なかったし、パーツ取りが出来そうなジャンク品なども出回っていなかった。しかし、購入から2年近く経過すると、探してみればあるある。どういう由来のものかはわからないが、そこそこ評価の高そうな海外のネットショップで、リーズナブルな値段で部品が出ていた。ThinkPad X1 Yogaは発売時期によって複数世代あり、似たような外見でも部品の形が違う。Lenovoのサイトで部品番号を調べて、自分の持っているモデルと適合する部品であることを確認して、早速注文する。

注文後すぐに、ThinkPad X1 Yogaのモデルを確認するメッセージが届き、丁寧なショップだと分かって安心する。モデル・タイプを知らせて間違いない旨伝えると、すぐに出荷してくれた。海外からの郵送なので、二週間ほどかかって届くそうだ。届くのを待ちながらLenovoのメンテナンス・マニュアルを読んで、部品の交換方法を調べる。ThinkPadIBM時代からの良き伝統で、マニュアルがとてもしっかりしていて、本来であれば修理を行うメーカーの人が見るようなマニュアルが、一般に公開されている。残念ながらThinkPad X1 Yogaの私のモデル(第一世代)のキーボード・ベゼルの交換は、かなり工程の多い作業のようだ。

そうこうするうちに部品が届く。プラスティック一枚のような部品なのだが、丁寧に梱包されている。早速開けてみると、傷ひとつなく、ほぼ新品のような状態だ。早速、ThinkPad X1 Yogaを分解してキーボードベゼルを交換する作業にはいる。

最初に再起動後、Enter、F1を順に押して、BIOS設定画面に入り、ConfigのPowerの画面のDisable Built-in Batteryの機能を使って、内蔵バッテリーを止める。これで作業中にうっかり配線をショートさせたりする事故を防ぐことが出来る。

続いて裏蓋を外す。裏蓋表面に見えているネジをすべて緩め、液晶画面のヒンジの辺りから、ギターのピックのようなものを使って傷付けないように裏蓋をこじ開けて持ち上げる。少しずつ裏蓋を引き上げて、すべてのネジが緩んだら、裏蓋を本体後方に向かって軽く引っ張るようにすると、本体前面下にあるフックが外れ、裏蓋が外れる。裏蓋をはめるときに、最初にフックを引っかける必要があるので、外れたらフックの位置をよく見て確認しておく。

ThinkPad X1 Yogaの第一世代では、キーボードベゼルが本体のケースの役割を持っている。つまり、キーボードベゼルを交換するには、裏蓋を外した後、スピーカーを外し、バッテリーを外し、マザーボードを外し、キーボードとを外し、その他のパーツを外し、最後に液晶画面と本体をつなぐヒンジを本体から外す。これでやっとキーボードベゼルが取り外せたので、交換部品と入れ替えて、外した部品を逆順に取り付けていく。数十個のネジを外して付け直すことになる。ネジは似たようなものが多く、直径はどれも同じだが、長さやネジの頭の形が若干違う。どこにどのネジがはまっていたのか、外すときにメモしながら作業しないと、戻すときにうまく収まらなくなる。

全ての部品を取り付け直し、裏蓋も閉じたら、電源アダプタをつないで起動する。内蔵バッテリーを止めてあるので、電源アダプタをつながないと起動しない。一旦起動すれば、内蔵バッテリーも復活する。

キーボードベゼルを交換し、見た目も元通りに復活した。分解中に実はこのPCに、指紋認証バイスが付いていることに気が付いた。購入後すぐに色々あったので、すっかり忘れていたのだ。しかし、Windows Helloの設定画面を見ても、デバイスマネージャーを見ても、指紋認証バイスが認識されていない。調べてみると、Windows 10のupdate後、ThinkPad X1 Yogaで指紋認証が出来なくなったという報告が複数ある。回避方法をいくつか試してみるが、うまくいかない。うーん、一難去ってまた一難。

 

 

Finaleでパート譜が印刷できない!

ThinkPad T490sに移行した際、Finaleも26にupgradeしたが、その後、パート譜が印刷できないことに気づいた。印刷ダイアログで印刷対象の楽譜が一覧表示されないので、パート譜を指定することができず、他のボタンを使っても必ずスコア譜が印刷されてしまうのだ。

類似の問題を探してみたが見つからないので、サポートに連絡してみる。反応を待っている間にいろいろ試行錯誤すると、プリンタとしてWindows 10から新規に導入されたMicrosoft PDF Writerを指定した場合のみ、問題が発生することを突き止めた。

Finaleで作成した楽譜をPDFに変換するには、Finale自身が持つPDFへのエキスポートの機能を使う方法と、Microsoft PDF Writeなどの、PDF変換機能をもつ仮想プリンターを使う方法がある。FinaleのPDF出力機能を使うと、たまに日本語で書いた文字が文字化けしてしまうことがあり、Windows 7の時代はCute PDFなどを導入して使っていたが、Windows 10から標準で追加されたMicrosoft PDF Writerが優秀だったので、これを使っていたのだ。

やむを得ず、FinaleのPDF出力で文字化けする理由を調べていたら、文字列の種類ごとにフォントが指定されており、日本語対応でないフォントが指定された項目に日本語を入力している場合に問題が出ることが分かった。画面表示上は日本語が表示されるのに、PDF出力の際にのみ文字化けする。私の場合、この問題に引っかかるのは、曲名に日本語を入力した場合だけで、文字化けするのは2ページ目以降のヘッダーに出る曲名だけなので、それだけ日本語フォントを明示的に指定すればよい。

具体的には、文字ツールを選択した上で、[文字]>[テキスト編集]を選び、IDの部分をスクロールしてフォントを変更したい項目を表示させ、テキスト文字列をすべて選択した状態で、[文字]>[フォント]を選び、フォントを指定する。

 

2019.5.30追記 サポートからの回答では、Finale 25からあるbugということで、「通常使うプリンタ」を「Microsoft PDF Writer」に設定している場合に出る問題だとのこと。回避するには、「通常使うプリンタ」を「Microsoft XPS Document Writer」など、他のプリンターとし、印刷時に必要に応じて「Microsoft PDF Writer」を一時的に指定すれば良いそうだ。

 

Finaleのコード名を見やすくするには

 

楽譜作成に利用しているFinaleの標準では、コード名に使われるフォントが小さい。「E♭m7」というコード名を例に取ると、「E」の部分はルート、「♭」の部分は「変化記号」、「m7」の部分が「サフィックス」という項目として、別々にフォントの大きさが指定されている。標準では「ルート」がAriel 12pt、「変化記号」がKousaku 17pt、「サフィックス」がAriel 11ptという具合だ。ベテランのミュージシャンに優しい楽譜にするには、「ルート」がAriel 20pt、「変化記号」がKousaku 28pt、「サフィックス」がAriel 18ptぐらいにしたい。

コード名のフォントの変更は、[書類]>[ファイル別オプション]の画面の「フォント」の項目で、設定変更することが出来る。ただし、「サフィックス」についてはコード名を入力した後から指定しても効かない。先にコード名を入れてしまった場合、コードツールを選択した上で、[コード]>[サフィックス・フォントの変更]のメニューを使って変更する。

「変化記号」はいくらフォントを大きくしても、ベースラインが「ルート」や「サフィックス」と同じだと、埋もれて見逃してしまう。目立たせるためには、[書類]>[ファイル別オプション]の画面の「コードネーム」の項目で、ベースラインを大きくすると良い。シャープ、フラット、ナチュラルごとに調整できるが、それぞれ+0.1ぐらい増やしてやると、「ルート」の文字の半分ぐらいの高さまで持ち上がって目立つようになる。

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ThinkPad T490sへの移行

以前、以下の記事で、当時メインで使っていたThinkPad T530からのパソコンの買い替えを諦め、内蔵ディスクをSSDに換装した話を書いた。その時、「薄型ノートPCが内蔵2TBのSSDと、4 core以上のCPUを積むようになったら、PC本体を買い替えることにした」と書いたが、それからわずか1年半でこの条件を満たすパソコンが出てきて、買い替えることになった。 

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新たなパソコンは、ThinkPad T490sで、Core i7-8565U 1.8GHz、8GBメモリー、2TB SSD、タッチパネル付きのFull HD液晶、LTE対応SIMスロットと言った構成である。T530からの買い替えということで、T580やT590も検討したが、めったに使わないテンキーが付いているせいで、キーボードが全体に左側に偏った配置になっているのが気に入らなかった。また、仕事用でX1 CarbonやT480を使ってみて、とても印象が良かったことと、最近持ち歩いて作業することが多く、T530の重さと大きさ、バッテリー持ちの悪さが足かせになってきたことも大きい。

前回検討時の結論としては、買い替えの条件は、能力でCore i7-3720QMを上回る4 core CPUの搭載と、合計で2TBの容量を持つSSDの搭載というものだった。CPUについてはT480あたりから条件を満たしていたが、メーカー構成で2TBのSSDを積むThinkPadは未だにない。また、大容量SSDは、他のパーツに比べて価格が高く、パソコンの値段を押し上げる一番大きな要素となっている。そこで、今回はT490sは512GBのSSDを搭載した構成で購入し、別途市販のパーツとして購入した2TBのSSDと換装することにした。

メーカー搭載のパーツとしてのSSDは未だに価格が高止まりしているが、ここに来て市販パーツのSSDの価格は劇的に下がっている。1年半前にT530用に購入した2.5 inch SATA 1TBのSSD (Crucial MX300, CT1050MX300SSD1/JP)が3万5千円だったのに、今回購入したPCIe 3.0/NVMe 2TBのSSD (Intel 660P, SSDPEKNW020T8X1)はもう3万円を割っているのだ。

ゴールデンウィーク直前からの大幅割引キャンペーンに誘い込まれるように注文してから、約3週間で品物が届き、同時に注文してあった2TBのSSDも届いたので、早速初期設定とSSDの交換作業に入る。

まずは、パソコンの初期動作の確認を兼ねて、元の構成のままで起動し、Windowsの初期設定を行う。続いてWindows Updateも適用しておく。一通り動作を確認出来たら、外付けケース(アイティプロテック AOK-M2NVME-U31G2 )に入れた換装用SSDをUSBポートに接続して、内蔵SSDのクローンを行う。LenovoのPCには、内蔵ディスクに3つのパーティションがあり、OS用以外にBoot Managerやリカバリー用のものがある。Windows Backupでバックアップ&リストアすると、同じパーティション構造のものは作れないので、Acronis True Imageを使ってクローンを作成する。

無事に終わったら、いよいよSSDを換装する。最近のThinkPadは薄型になり、パーツ交換も裏面パネルを外す必要があるので、以前に比べると慎重な作業が必要だが、検索すれば先人達の経験談が豊富にあり、大きなリスクはない。多少注意が必要なのは、何本か外すネジのうち、内側にプラスティックのワッシャーが付いているものがあり、ネジが引き抜けないものあるということぐらいだ。無理に引き抜くと、後でワッシャーをはめなおすのに手間がかかる。SSDの換装が終わると、あっさり、何も問題なく起動し、2TBの内蔵ドライブとして認識される。

続いて、SIMを挿して携帯電話網との接続を確認する。普段SIMを挿して使っている7 inchタブレットからSIM (OCN Mobile Oneのnano SIM)を抜いて、T490sに挿してみる。これもあっさり認識し、Windowsの設定の「ネットワークとインターネット」の「携帯電話」の「詳細オプション」でAPN等を設定すると、あっさり接続した。今後のパソコンやタブレットには、SIMが不可欠になりそうだ。OCN Mobile Oneは一契約で通信量を共有できるSIMを複数持てるので、早速SIMを追加注文する。

ハードウェア的に新しいものを一通り確認し終えると、次はソフトウェアとデータの移行だ。前のT530は結局7年も使ったので、その間大量のソフトウェアが導入されている。中には同じソフトウェアの新旧版が複数入っているものもある。この際、今後も使い続けるものだけに絞って導入しよう。

まず、ChromeFirefoxAcrobat Reader DCなどの必須ツールを入れる。その後、CapsLockと左Controlの入れ替えと、IMEの設定を変更する。

続いて、Cygwinを導入し、Cygwin上で使っているツールやデータを旧PCから移行する。この辺りはデータ量も少ないので、Windowsのファイル共有で接続しておいて、Cygwin上でtarやrsyncなどでコピーする。

旧PC上に導入イメージがあるソフトウェアについては、USB HDD経由で移行する。音楽・映像関係は数も量も多い。Protools 12、Ivory、MelodyneWAVES/L3-16、Metric Halo/Charactor、BlueCat Freeware pack、Finale 26、VOCALOID5、巡音ルカPremiere Elements 14などを導入する。AudacityGIMPなどは最新版をInternetからダウンロードして導入する。

並行してソフトウェアのライセンスを移行する。導入時点でライセンスキーを要求されるだけのもの、iLokなど外部キーで管理しているもの、Internet経由でデ・アクティベーションアクティベーションを行うものなど、ライセンスの管理方法も様々だ。中には登録サイトが変わっていたり、ユーザーやパスワードを忘れてしまったりしていたものものあり、ひとつひとつ調べなおす。

最後の大物は大量のデータの移行だ。移行元のT530には1TBのSATA HDDが2台入っていて、1.4TB程度のデータ量がある。ファイル単位でUSB HDD経由でコピーすると権限関係で読み出しできなくなったりすると厄介なので、T530側からtarでUSB HDDに書き出し、それをT490sに接続しなおしてtarで読み取ることにする。ファイルの数が多いので、書き込み先がSSDでもかなりの時間がかかる。一晩流しっぱなしでなんとか移行を終えたが、今後はEthernetで直結しておいて、rsyncで差分を見ながら少しずつコピーするという手もあるかもしれない。

移行作業をしながら一通りT490sを使ってみたが、X1 carbonより少し厚く、T480より少し薄いという感じで、印象はとても良い。どなたかのレビューで、負荷がかかると右側の排熱ファン近辺が熱くなるとあったが、その通りだった。T490sの右側には隙間を空けておくことにしょう。