たまごでふわふわ

毎日卵をひとつ食べることにしている。母が元気だったころは、毎日卵ふたつ使ってオムレツを作っていたが、そのうち健康診断で卵の量を減らすように言われたらしく、1日ひとつになった。さらにそのうちオムレツが面倒になったらしく、生卵を飲むようになった。私が炊事をするようになってからも、毎日卵を一人ひとつを踏襲しているが、生卵も飽きてきたので、何か簡単に出来るレシピはないものか探してみた。

最初に見つけたのはレンジで作るオムレツというものだった。卵はレンジに入れてはいけないという感覚だったが、黄身をくずしておけば問題ないらしい。卵をひとつ耐熱容器に割って、つゆを大さじ一杯、水を大さじ一杯加える。攪拌してレンジで100秒程度加熱すると出来上がりだ。

加えるものは、つゆやだし、醤油など、味付けになるならなんでもよい。水を合わせて30ml程度にするのがポイントで、醤油なら水を多めにするとちょうどよい味になる。ニラや三つ葉を少し散らすとさらにそれらしくなる。二人分同時に作る場合は加熱時間を倍にすればよい。最初からひとり分ずつ容器を分けておけば、取り分ける手間もない。

レンジで卵料理ができることを知って、さらに探してみると色々なレシピが見つかった。面白いのは卵とチョコレートだけでガトーショコラを作るというものだった。ガトーショコラのレシピはもっと色々な材料を使い、オーブンで加熱するものと思っていたが、卵とチョコレートの材料でレンジだけでも出来るらしい。まず卵をひとつ白身と黄身に分け、白身を攪拌してメレンゲにする。次にチョコレート50gをレンジで1~2分加熱して溶かし、ほぐした黄身と混ぜ合わせる。そこへメレンゲを1/3ずつ加えてはヘラで優しく混ぜ合わせる。出来上がった生地を耐熱容器に入れて1~2分加熱すれば出来上がりだ。ただし、360kcal程度になるので、ふたりで分けて食べるか、半分ずつ2日で食べるぐらいにしておいた方が良いだろう。冷蔵庫で保存しても翌日美味しく食べられる。温めて食べる時はレンジで20~30秒程度加熱すればよい。何せ材料がチョコレートと卵だけなので、素材の味がそのまま出来の良し悪しに反映される。美味しいチョコレートを選ぶ必要がある。お勧めは明治のThe Chocolateのベネズエラ70%だろう。55%はだめ。ひと箱まるごと入れるとちょうど50gになる。

レンジだけでケーキが作れると分かってさらに探してみると、卵と小麦粉と砂糖と何かで、レンジだけでシフォンケーキを作るというレシピもあった。先のガトーショコラのレシピのチョコレートに変えて、小麦粉20gとオリーブオイル15mlと味のある水分を20ml程度加えればよい。つまり、卵と50g程度の何かクリーム状のものをレンジで加熱するとケーキが出来るという仕組みらしい。紅茶シフォンケーキなら紅茶の葉に少量の水を加えてレンジで加熱して加えればよいし、コーヒーなら少量のお湯でとても濃く入れたコーヒーに挽いたコーヒー豆を加えればよい。シフォンケーキの場合は最終的にレンジで加熱した後、耐熱容器ごとお皿の上にさかさまにして伏せて冷ましておくと、適度に耐熱容器から外れ、縮まずに済む。

卵を使った料理でもうひとつ良かったのは、カルボナーラだ。以前イタリアン・レストランで生クリームを使わないカルボナーラが美味しかったので、それに近いレシピを探してみたら、いくつも見つかった。いくつか調べて、いいとこどりをして作って見た。

まずパスタを茹でるためのお湯を沸かし、お湯に対して1%の塩を入れる。次にフライパンにオリーブオイルを温め、唐辛子とニンニクを入れてオイルに香りを移す。ベーコンを入れ、フライパンに蓋をして弱火で10分ほど蒸し焼きにする。お湯が沸いたらパスタを茹で始める。待っている間に卵を白身と黄身に分け、白身を攪拌してメレンゲにする。黄身に粉チーズを30gほど和え、メレンゲを1/3ずつ加えて優しく混ぜる。パスタが茹で上がったらフライパンに移してベーコンと和える。フライパンの火を止めて、卵液を入れ、優しく和えてから弱火で火を入れる。水分が少しとろりとなったところで火を止める。お皿に盛って、胡椒を振って出来上がりだ。生クリームを使う代わりに卵白をメレンゲにすることで、卵白を無駄にせず、水っぽくもせず、柔らかい食感を出している。